美容師アシスタントの辞めたい理由別、円満退社して次へ進む方法

更新日:2024/03/21
美容室社長中村英二

美容師に憧れて美容室に入社したものの「辛い」「辞めたい」と思っているアシスタントの方は、実はとても多いです。あなただけではありませんので、「自分はダメだ…」なんて思いつめなくて大丈夫!

このページに辿り着いたということはこれまできっと我慢したり、辛い気持ちに何度もなった方でしょう。まずは、今日まで頑張ったあなたに「お疲れ様です。」と言わせてください。

あなたが次のステージに気持ちよく進むために、このページでは辞めたい理由別の円満退社する方法を、美容室社長である私の立場から解説します。

理由❶安月給すぎて辛い。先輩の給与を聞いても将来に希望が持てないから辞めたい

給与に不満がある美容師アシスタントの方は多いです。地域差はありますが、現在美容師アシスタントの月収は20万円前後が相場。

年々給与水準は上がってきてはいますが、現在は物価高ですし、何より多くの美容室ではハサミやコームなどの道具類に加え、練習用ウィッグ等は自分で購入しなければならず、生活費以外の出費が多い職種です。

実家暮らしの方は問題なくても、1人暮らしの方にとっては“ゆとりがある暮らし”ができるとは言えないでしょう。

それでも、アシスタントの2~3年間なら「今だけ我慢すれば…!」と思って頑張れる人は多いです。一方で、「先輩スタイリストも給与がアシスタントとさほど変わらない人が多く、将来に希望が持てなくなった…。」という方も少なくありません。

円満退社するには?

給与が低いことが理由で辞めたい場合、円満退社したいなら次の2つの方法をおすすめします。

次の転職先をどこにするか決めておく

退職意向を伝える前に、まずは次の転職先をどこにするか決めておきましょう。

休みの日にでも次の職場候補への見学へ行き、数カ月後には辞めたいと思っている旨を伝えて、承諾を得ておくと安心です。

なぜならたいていの場合、「辞めたい。」と伝えたら上司はその理由と次は決めているのかを聞いてくるから。

聞かれた時に「次はまだ考えていません。辞めてから考えようと思っています。」と伝えると、「まだ決めてないなら、もうちょっと頑張ってみようよ。お店側もいろいろ相談に乗るからさ。」というように引き留められてしまいます。

「自分なりに色々調べて、次に行く美容室は既に決めています。」と言われたら、店長やオーナーは「もう意思は固そうだから引き留めても無理かも…。」と思うでしょう。

期間に余裕を持って伝える

次を決めた上で、「3か月後に辞めたいです。」というように、期間に余裕を持って伝えましょう。

「一週間後に辞めたい。」などは反感を買ってしまい、円満に辞めることは難しくなりますし、そもそも社会人としてNGです。

法律上(民法第627条)は、正社員の場合、退職を申し出てから2週間が経過した時点で雇用関係は終了できます。つまり、最低でも「2週間前」には申し出る必要があります。

ただし、あなたの働く美容室がアシスタント補助ありきで回っているお店なら、あなたに辞められるとお店の営業に支障が出てしまいますよね?その為、2週間後と言われて良い反応をする店長やオーナーは少ないのが現実。

あなたがパワハラを受けていたり、体調不良だったりといった理由がなく、あくまでも不満が給与のみなら、2~3か月は余裕をもって辞めたい旨を伝えることが円満に辞めるポイントです。

転職先はどうする?

辞めたい理由が給与面だけなら、働く美容室を変えれば解決する可能性が高いです。

募集要項の給与額が同じ21万円でも、実は「みなし残業代込みで21万円」の場合と「みなし残業代抜きで21万円」の場合があります。

よくあるアシスタント給与例

求人票の記載その月の残業時間その月の給与(額面)
月収21万円(30時間分のみなし残業代込み) 30時間の場合 21万円
月収21万円(みなし残業代含まず) 21万円+30時間分の残業代

例えば、30時間分のみなし残業代込みの美容室で毎月30時間残業していても給与は21万円です。

一方で、みなし残業代抜きで21万円の美容室で30時間残業したら、21万円+30時間分の残業代が給与となります。残業代は各社違いますが4万円前後はアップするでしょう。

また、練習時のウィッグ代は全て会社が負担してくれる美容室もありますし、その他、寮制や家賃補助のある美容室というのもあります。

給与の額だけに目が行きがちですが、詳細をよくチェックしみてください。今より待遇の良い美容室があるはずです。

アシスタントだけでなく、スタイリストの給与もチェックして

給与や待遇をチェックする時に併せて確認したいのが、「スタイリストの給与・待遇はどうなのか?」です。

先の例のように、スタイリストの先輩の給与が、アシスタントの自分とさほど変わらなくてショックを受けるという話はよく聞きます。

こういった事案は、たいてい以下のケースのいずれか。

❶給与体系が「固定給21万円+指名歩合5%バック」。歩合が5%と低いため、指名売上が月100万円でも、給与が26万円…

❷給与体系が「固定給21万円+指名歩合30%バック」。指名がなかなかつかず、フリー客ばかりだから「指名歩合」がもらえず、いつまでも給与が21万円…

❸給与体系が「固定給21万円+指名歩合30%バック」。お店にくるお客様のほとんどが先輩やオーナーの指名顧客ばかりで新規客が来ないから、自分の指名が付かず、いつまでも給与が21万円…

❶は単純に歩率の低いお店を選ばなければOK。

❷を防ぐには、指名だけでなくフリー売上も給与に還元してくれる給与体系の美容室を選びましょう。

❸は、フリー売上も給与に還元してくれることに加えて、新規集客をしっかりしているお店かを確認する必要があります。

世の中には、労働時間が同じ&やっていることも同じでも、今より給与が高い職場というのがあります。

まずは、求人サイトで今の職場の待遇と比べてみたり、美容学校時代の友達に聞いてみましょう!

理由❷残業は当たり前。長時間労働過ぎて辛いから辞めたい

朝9時に出勤してまずは1時間朝練。10時にお店の営業がスタートすると、スタイリストの補助業務で1日シャンプーやドライヤー、掃除等に追われ、20時にお店が閉店した後22時まで練習をし…という長時間労働の毎日に疲れてしまう方はとても多いです。

円満退職するには?

長時間労働が嫌で辞めたい場合の円満退社する方法は、理由❶の給与が低いから辞めたい場合と基本は同じ。まず自分の希望に合った転職先候補を決めておくこと、そして余裕をもって上司に辞めたい意向を伝えましょう。

辞職理由は前向きな発言を心がけて

辞める理由を聞かれた時、「長時間残業が辛いから」と言うのはおすすめしません

残業によってあなたが体調を崩してしまっているなら話は別ですが、そうでない場合は、正直に伝えると「他の美容室、職種でも同じだよ。」とか「アシスタントが終われば練習残業はなくなるからもう少し頑張ろうよ。」と引き留められてしまうからです。

それよりも、「もっと毎日レッスンや練習に時間を費やしたいから、営業時間中もずっと練習できる美容室に行くことにしました。」といった前向きな発言をする方が良いでしょう。

転職先はどうする?

辞めたい理由が長時間労働だけなら、働く美容室を変えれば改善されます。なぜなら、アシスタントは美容室の営業時間中にずっと練習ができ、残業して練習することを求められない美容室があるから。

アシスタントに残業させない美容室では、スタイリストがお客様をマンツーマンで施術するスタイルが基本。「スタイリストの補助業務」を必要とされませんので、営業時間中に練習ができるというわけです。

その為イラストのように、アシスタントは日中8時間技術レッスンや練習をし、勤務時間が終わったら帰ることができます。

異業種でも長時間残業のある職場はある

長時間残業は何も美容師アシスタントだけのものではありません。異業種に転職しても長時間残業の毎日を送る可能性はあります>。

転職活動をする際は、求人票の給与に「みなし残業代」が何時間分含まれているのかの確認はもちろん、見学時や面接時にその職場の残業への考え方を聞いておきましょう。

ちょっと聞きにくいかもしれませんが、質問することで入社後のギャップが防げます。

あなたの為になることはもちろん、会社にとっても「思っていたのと違った」と言ってすぐに辞められるよりもよっぽど良いので、遠慮せずに質問してくださいね。

理由❸雑用業務ばかり&命令されてばかりで辛いから辞めたい

「シャンプーやドライ、カラー剤塗布などスタイリスト補助業務の他にも、掃除やタオルの洗濯などの雑用が多くて嫌になる。」や、「先輩にアレやれ、コレやれと命令されてばかりで嫌で辞めたい…。」というのも、よくある辞めたい理由の一つ。

新人時代の雑用は、美容師以外の職種でもある

雑用や、先輩に指示されてやる業務というのは、何も美容師アシスタントだけの話ではありません。

オフィスワーカーなら、「会議の資料を人数分印刷してホッチキスで止めておいて。」と言われたり、会議室の片付けをお願いされたりします。

どの業界でも、一人前に仕事を出来るようになるまでは、雑用をしたり、先輩に言われたことを言われた通りにやるものです。

ですので、あなたの辞めたい理由が「雑用や指示されてやる業務ばかりが嫌」のみなら、異業種に転職するよりも、今の美容室で早くスタイリストデビューできるように練習にさらに力を入れてみることをおすすめします。

あなたが勤めている美容室が、雑用ばかりで技術レッスンや練習をさせてくれないなら、話は別。働く美容室を変えた方が良いかもしれません。

次の「いつまで経ってもスタイリストデビューできないから辞めたい」を参照してください。

理由❹いつまで経ってもスタイリストデビューできないから辞めたい

「いつまで経ってもスタイリストデビューができないから辞めたい…。」という場合、3つのケースがあります。

ケース1:技術試験に受からず、デビューできない

「技術試験に受からずデビューできない…。」というケース。これは、さらに2パターンに分けることができます。

1つは本人の技術が本当に足りないパターン。もう一つは、担当の上司の拘りが強すぎて試験に受からないパターンです。

本人の技術が足りない為に技術試験に受からず、デビューできない

同僚の他のアシスタントが2~3年でデビューできているのにも関わらず、自分だけ5年も6年もデビューできず、しかも自分でも苦手な技術が多いと感じていて辞めたいのなら、確かに異業種への転職を考えた方が良いと思います。

あなたには美容師の仕事以外で、もっと得意なことがあるかもしれません。

あなたが美容師になることを志したのは、おそらく高校生の頃でしょう。高校生の時に選んだ職業が「自分の天職」ではない可能性は十分にあり得ます。むしろ、天職である確率の方が低いのではないでしょうか?

円満に辞める方法は?

この場合、辞める理由を伝える際には、ネガティブな理由ばかり挙げるのではなく、前向きにこれからの展望を伝える方がおすすめです。

「技術試験に受からないから辞めたい。」とだけ伝えると、「もう少し頑張ってみたら?今辞めたらここまで練習したのにもったいないよ。」とか「そんな理由で辞めたら、今後どこに行っても上手くいかないよ。」なんて引き留められる可能性があります。

引き留められたくなかったら事前に、しっかり自己分析をして「自分は何が得意で何が苦手なのか?」を理解した上で、さまざまな職業や職場の求人情報をチェックし、転職先の目途をつけておきましょう。

自己分析をして、色々な職業・職場について調べた結果。職業〇〇に挑戦したいので辞めたいです!」などと言われたら、上司は「本人なりにしっかり考えて決めたのかな…。引き留めても無駄かな。」と思うでしょう。

ポジティブかつしっかり考えた上で決めたことだと、相手に伝わるように言うことを心がけてみて下さい。

担当の上司の拘りが強すぎて試験に受からず、デビューできない

他のスタイリストから見たら「合格で良いのでは?」と思えるのに、合格できないという場合もあります。試験の担当の先輩の拘りが強すぎる場合です。

この場合、上司を変えることは基本的に出来ませんので(オーナーや店長に訴えても、試験官をアシスタント側が「試験に受からないから変えてほしい」という訴えで、変えてくれる可能性は低いでしょう)、あなたがお店を変える方が賢明です。

円満に辞める方法は?

辞める際に「試験に受からないから辞めます。」と正直に言わない方が良いでしょう。

そのように言ってしまうと「そんな甘い考えじゃ、どこに行っても通用しない!」と怒られたあげくに、「君の今後の人生のためにも、デビューできるまでこの美容室で頑張った方がいい!」などと言われて、結局辞めることができなくなる可能性があります。

教育云々、試験云々の話は出さずに、お店側が変えようがないハード面を理由にして辞めた方が、円満に辞められる可能性が高いです。

例えば、今の勤務先の美容室が家から近くないなら「通勤時間が長いので、家の近所の美容室に行こうと思います。」 郊外の美容室なら「もっと都会の表参道の美容室にどうしても挑戦したくて。」お店のお客様の年齢層が高いなら「もっと若いお客様層の多い美容室に変えたくて。」のように、お店が一朝一夕には代えられない別の理由を言った方が円満に辞められるでしょう。

ケース2:レッスンや技術試験等が定まっておらず、ていよくアシスタント業務をやらされ続けている

小規模サロンでよくある例ですが、レッスン内容・スケジュールが明確に決まっておらず、技術毎の試験等も定まっていないために、いつまで経ってもスタイリストデビューできないというケース。

これは、アシスタントのレッスンにあまり時間を避けるスタイリストがいないだとか、アシスタント業務をやってくれた方がスタイリストやお店にとって都合が良いなど、お店の事情によるところが大きいです。

技術レッスンを週に1度も行ってくれないようなお店は早く辞めて、別の美容室へ行くことをおすすめします

「こんなものなのかな?」「先輩みんな忙しそうだし、仕方ないよね?」と諦めて何となく居続けるのは、はっきりいって時間の無駄。

毎日のように技術レッスンをしてくれる美容室はあります。辞めたい意思を伝える前に、事前にそういう美容室が通勤可能範囲にあるか調べて、目途をつけておきましょう。

円満に辞める方法は?

この場合、辞める理由は正直に言って良いと思います。「早く一人前になりたいので、技術レッスンを毎日やってくれる美容室に転職します。」と言えば、お店のオーナーが毎日技術レッスンをやらない限り引き留められませんから

はっきり言うことでオーナー美容師が教育方針を変えてくれて、明日から技術レッスンをしてくれるなら、それはそれで良いですよね。

ケース3:シャンプーマンが他にいないorフリーのお客様が来ないから、アシスタント業務しかやらせてもらえない

試験に合格しデビューしたことになったものの、お店にシャンプーマンがあなた以外にいなかったり、フリーのお客様がほとんど来店しないために、いつまで経っても先輩方の補助業務しかやらせてもらえないというケースもあります。

この場合、あなたが「どうにかして下さい!」と言っても、今日明日でお店の施術のやり方が変わったり、新規のお客様がたくさん来るようになることは、残念ながらありませんので、退職の意向を表明する他ないでしょう。

事前に転職先の美容室を決めた上で、「3か月後に辞めたい。」というように、お店に配慮して期間に余裕を持たせつつも、はっきりいつ辞めたいか伝えることが、スムーズに辞表を受理してもらうために必要です。

転職先では同じ轍を踏まないように、サロン見学時に以下の点を必ず伝えてください。

  • 今の美容室を辞めたい理由
  • 入社後シャンプーマンではなくスタイリストとして働きたい旨
  • 新規のお客様はどれぐらいきていて、自分はフリーのお客様を回してもらえるか?

理由❺パワハラがひどいから辞めたい

先輩から「お前使えねーな。」と怒鳴られたり、高圧的に「何でそんなこともできないの?頭悪いの?」と言われたり、それは立派なパワハラ。心をすり減らして体調を崩す前に、そんな美容室は辞めましょう。

大きなチェーン店なら、まずは人事部の方に相談をするのも手。所属店舗を変えてもらうことで解決する場合もあります。

1~2店舗の小規模サロンで人事部もいない、しかも直属の先輩がそんな感じで、相談もできない場合は、店長もしくはオーナーにアポイントを取り付けましょう。

パワハラの内容、辞めたい意思があることを文章ではっきり伝えて

店長は忙しそうだし、オーナーは全然お店に来ないから…ということなら、まずはラインで伝えましょう。文章で残すことで、後々「言った言わない」のトラブルを防ぐことができます

文章で書くべきこと

  1. パワハラの事実
  2. ❶によりあなたが抱えている心の苦痛や身体的な症状
  3. はっきり「辞めたい」という意思

上記3点は、しっかり書きましょう。あいまいにぼかすのはよくありません。

例文

本当は職場で直接お伝えするべきだとは思ったのですが、店長がお忙しそうで2人で話す機会を作れなかったのでラインさせていただきました。

〇〇先輩から「〇〇」というような発言をほぼ毎日のようにされて傷ついています。精神的な苦痛がひどく、最近体調も芳しくないです。

店長から先輩に私がこう言っていたと伝えられると、その後がもっと怖いので、なるべく早く辞めたいです。退職手続きを進めたいのですがどうすれば良いですか?

上記のように伝えれば、ほとんどの店長もしくはオーナーが慌てて対応をしてくれるはずです。

もし、しっかり文章で送ったのにも関わらず対応をしてくれない、もしくは「〇〇には言っておくから」で済まされて、辞めたいのに辞めれない場合は、厚生労働省が運営する相談窓口に相談しましょう。

理由❻手荒れ・腰痛がひどいから辞めたい

手荒れや腰痛は、美容師の職業病…私もアシスタント時代は腰痛に悩まされたものです。辛いですよね…。

手荒れはシャンプー時もグローブで防いで

手荒れは、まずは先輩に相談して「シャンプー時もグローブOK」にしてもらいましょう。

今はアシスタント業務でシャンプーばかりしているから、手荒れをしているという可能性は高いです。スタイリストになってシャンプーはアシスタントにやってもらえれば、手荒れは収まるかもしれません。

今時、「うちのサロンは、シャンプー中のグローブはお客様満足度が下がるからNGです。」なんてお店はないとは思いますが、もしもそんなことを言われたら、早く辞めて他の美容室に行った方が賢明です。

サロンルールより、あなたの健康が大切です。あなたの悩みに寄り添ってくれる美容室は他にきっとあるはず。

腰痛はバックシャンプーで防げるケースも

腰痛については、「辞めたい」と思うに至るまでにおそらくマッサージやコルセット等、色々と試されたと思いますので、私からアドバイスできることは少ないですが…。

強いて言うなら、サイドシャンプーからバックシャンプーに変えると腰痛が減るというケースがありますので、バックシャンプー台の美容室に転職するのも手。

休業するという選択肢も

あなたが今正社員雇用なら「休業」して治療に専念するという選択肢もあります。その場合、休業期間中は平均賃金の60%を受け取ることが可能です。

まだ美容師に未練があるのなら、医師に相談して診断書を書いてもらい、上司に休業を取りたい旨を相談しましょう。

すごく辛くてもう美容師を辞めたいのなら、一度辞めてしばらく療養し、異業種に転職するのが良いでしょう。

あなたがまだ20代前半なら、この人手不足の時代、未経験でも雇ってくれる会社はたくさんあります。

円満退職するには?

この理由の場合、理由は正直に伝えて良いと思います。ただ、中には「俺もアシスタント時代は手荒れや腰痛が辛かったけど、スタイリストになったら治ったから、もう少し頑張ってみたら?」と引き留められるケースも。

引き留められたくないのなら、お医者さんにお願いして、仕事を休業することを推奨する診断書を書いてもらいましょう

もしくは他のなりたい職業を決めた上で、「この職業に挑戦したいから辞めたいです!」のように、手荒れ・腰痛が理由なだけでなく、異業種へ転職したい意思が固いことを示せるように準備しておくのがおすすめです。

辞めたら、遅かれ早かれ次の職場を考えることにはなります。それなら、辞める前にしっかり自己分析をして、次は転職しなくていいように色々な業種について調べ、方針を固めておいて損はないでしょう。

転職エージェントなどに相談してみるのもいいかもしれませんね。

理由❼店舗移動で希望の店舗ではなくなったから辞めたい

チェーン店の美容室だと、会社都合で店舗の移動を要請されるケースがあります。

「元の店舗だったら、通勤時間30分だったのに、移動後1時間半になったから辞めたい。」という方や「都心の美容室に勤めたくて、銀座店に入店したのに、八王子に移動になったから辞めたい。」という方もいらっしゃいます。

デビューするまでは辞めないほうが賢明

この場合、私のおすすめはスタイリストデビューするまでは希望店舗でなくても頑張って勤め上げ、デビューした後に希望地域の他の美容室にスタイリストとして応募する方法です。

なぜなら、お店の場所以外に不満がない場合、アシスタント時代に他の美容室に移動するのはもったいないから。

アシスタント時代に転職すると、転職先によってはそれまで学んで苦労して技術試験を受かった項目でさえ一から全て勉強しなおしになる場合もあります。

そうなったら、アシスタント期間が延びてしまい、スタイリストデビューが遠のいてしまうでしょう。

また、お店によっては「スタイリストは募集しているけど、アシスタントは募集していません。」と断られてしまうケースもあり得ます。

自分の希望に合った美容室へ再就職したいのなら、アシスタント時代はもう少し移動先の店舗で頑張ってみてはいかがでしょうか?

【まとめ】円満退職して良い職場に出会う為のポイント

あなたの辞めたい理由と同じものはありましたか?最後に円満退職して良い職場に出会う為のポイントをまとめておきます。

退職希望日は2〜3カ月余裕を持って、かつ明確に伝える

パワハラや病気などの理由でなければ、退職希望日は2〜3カ月余裕を持って伝える方が、円満に辞めるためにはおすすめです。

法律上は、辞めたい旨を伝えてから2週間で辞めれることになってはいますが、2週間後に辞められるとお店の営業に支障が出てしまうケースもあり、お店から引き留められる可能性が高いです。

円満に辞めたいのなら、お店側に迷惑をかけないように配慮しましょう。特に今後も美容師を続けるつもりなら、美容室業界は狭いですから、変な噂が立たないように気をつけるに越したことはありません

とは言え、お店側に配慮しすぎて辞める日をぼかして「数カ月後には辞めたいと思ってるんですけど」とあいまいに伝えると、「じゃあ次のアシスタントが見つかるまで…」とか言って、ずるずる引き延ばされてしまう場合があります。

そうならない為にも、はっきりと「3カ月後に辞めたいです。」というように余裕を持った退職希望日を伝えて下さい。

次の職場の目処をつけてから伝える

辞めたいと伝えると、多くの場合上司は「理由は?次は決まってるの?」という返しをしてくるでしょう。

ここで「次は決まってません。」と言うと、「じゃあもう少し頑張ってみない?お店側も協力するからさ。」みたいに言われて、辞める機会を逃してしまいかねません。

自分の希望に合う次の職場を見つけた上で、辞めたいと伝える方が引き留めらにくいです。

辞める時はネガティブな理由ばかり言わない

100%会社に非があるケースを除いて、辞める理由を言う時は、ネガティブなことばかり言わない方が良いでしょう。

嘘をつく必要はありませんし、ネガティブなことを全く言うなという訳ではないのですが、強調すべきは「ポジティブな方向に進むために辞めたいんだ」ということ。

これは、転職時の面接などでも役に立つ大切なポイント。 文句ばかりでなく、じゃあどうするのかを自分なりに一生懸命考えた結果が転職で、「転職先では自分はもっと頑張れるし輝けるはずだ。」という気持ちが伝われば、辞める時はもちろん、転職時もスムーズにいきますよ。

他の美容室に転職するなら、事前に下調べ&サロン見学で相談を

あなたが、今の美容室を辞めて、他の美容室に転職予定なら、今のあなたが辞めたい理由を書き出し、同じような職場を選ばないように、しっかり下調べをする必要があります。

ネットの求人情報には、得てして良いことだけが書かれがちで、都合の悪いことは書かれていないことも…。

そのことを認識した上で、求人情報を鵜呑みにせず、サロンに問い合わせフォームから質問したり、サロン見学に行って相談して確認しておきましょう

転職することで、一から学びなおしになるケースも

美容室を変えると、それまで試験をクリアした技術を1から学びなおしになるケースがあります。「早くデビューしたいからお店を変えたのに、デビューするのにかえって時間がかかってしまった。」となりかねません。

そうならない為にも、転職希望先の美容室には事前に相談しておく方が良いのです。

異業種転職するなら、自己分析をしっかりした上で、次の職種を決めて

美容師の仕事自体が自分に向いてないから辞めて異業種転職する場合は、自分は何が得意で何が苦手なのか、自己分析をしっかりした上で、次の職種を選ぶことをおすすめします。

学生時代も含め、自分が頑張ったことや、人に褒められたことはなんだったか、例えば、話すのが好きで昔から友達が多かったのなら営業職、手先が器用で美術の成績が良かったならデザイナーなど、なぜ自分が美容師が合わなかったのかも踏まえて、自分自身を見つめ直してみて下さい

この作業は、転職時の志望動機に繋がってきます。

今の時代、若い20代のうちなら、未経験でもやる気がある人はいくらでも求められます。

美容師が天職でなければ、あなたの天職は他にきっとあるはず。焦らず、時間をかけて自己分析や職業・職場分析をして次こそあなたに合う職業に出会ってくださいね!

この記事を書いた人

中村英二

神奈川・東京に大型美容室Anphiを複数店舗展開する会社、株式会社イーグラント・コーポレーションの社長。「美容師ファースト」を掲げ、日々より良いサロン創りに奮闘中!

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