ウルフカットの切り方|No.1スタイリストの技、全部見せます!

更新日:2024/02/12
美容室社長中村英二

美容室Anphiで売上No.1美容師である大和田誠さんに、マッシュウルフのカットを通して、失敗しないウルフカットの切り方を教えてもらいます。ブロッキングからベースカット、セニングカット、ニュアンスカットまでプロの技の全貌をあますところなく大公開!

アシスタントやジュニアスタイリストの方はもちろん、ウルフカットに少し苦手意識があるスタイリストさんにもぜひ見ていただきたい内容になっています。動画とテキスト、見易い方でご覧下さい。

今回のインストラクター

大和田誠さん

美容師歴18年、Anphiで売上常にNo.1のテクニカルディレクター。数々のコンテストで優勝し、日本一になった経験を有する。さらに、社外講習の講師や審査員、テレビ出演など、多方面での実績を持つ。日々のサロンワークでは日々トレンドを意識した再現性のあるヘアスタイルを提案し、髪の悩みの多い世代に特に人気。

動画でチェック

ウルフヘアは上のグラデーションと下レイヤーのバランスと、その境目が綺麗に繋がるかがポイントですかね。

そうですね。 ウルフヘアは、歌手のあいみょんさん人気の影響で若い女性はもちろん、最近では若い男性からもオーダーがあるスタイルです。

ポイントを押さえれば難しくありませんので、ぜひマスターしてお客様からオーダーがあった時に自信をもってカットできるように練習してみて下さい!

ここから動画の内容を写真とテキストでもご紹介します。動画の復習としてもお使いください。

マッシュウルフの展開図

こちらが、今回創るスタイル「マッシュウルフ」の展開図です。カットで失敗しないためには、まず展開図を頭の中でしっかりと描けることが必須ですので、ポイントを解説します。

解説

このスタイルの最大の特徴は、ミドルセクションから上がグラデーションカット、下がレイヤーカットに分かれている点です。

ウエイトラインは水平にしますので、サイドもバックも頭の丸さに沿ってオンザベースで、縦に髪を引き出します。

トップも頭の丸さに沿って丸く引き出しましょう。

これらを頭の中で思い描ければOKです!

なるほど。では施術の実演をお願いします!

手順1.ブロッキング

バックをブロッキングします。スライスは、バックポイントから耳上のラインで平行に取りましょう。

ちょうど頭の真ん中、バックポイントの一番出ている位置で取り分け、ダッカールで留めて下さい。

手順2.ガイド作成

バックのアンダーセクションでガイドを作ります。まず、先程ブロッキングで取り分けた下の髪、バックポイントの一番出ている位置の毛を約1㎝くらいの束で手に取ります。

下のレイヤーをどのくらいの位置にしたいかで、切る位置を決めましょう。決めたら床に対して平行に引き出して切ります。

バックのアンダーセクションのガイドができました。

先ほど作ったガイドを基に、下の展開図のように頭に沿って丸く切り進めます。

この時も髪の毛は床に対して平行に引き出してください。

左バックを切ったら、右バックも同様に丸くカットします。これがこの後切るオーバーセクションのガイドになります。

手順3.バックのアンダーセクションのカット

アウトラインはキャップの下5㎝くらいで、ワンレングスで切ります。普通に髪が落ちる位置でカットすればOKです。

先程作った上のガイドと、下のアウトラインを繋げるようにカットします。

アウトラインの毛が落ちる位置で切る

下のアウトラインから切ると、下のレイヤーがペラッペラになってしまいます。

そうならないように、髪を水平に引き出した時にコームからアウトラインの毛が落ちたところで切るようにしましょう。

髪を縦スライスで、床に対して水平に引き出し、上のガイドから垂直に切ります。

これを頭の丸さに沿ってオンザベースで切り進めます。

縦スライスでのカットが終わったら、横スライスでチェックカットをして下さい。終わったら逆サイドも同様にカットして下さい。

横スライスの時も、髪を床に対して平行になるようにしっかりと持ち上げて引き出してから、頭の丸さに沿うように切ってくださいね。

手順4.バックのオーバーセクションのカット

続いて、バックのオーバーセクションはウエイトラインが水平なショートスタイルにしていきます。

アンダーセクションの一番上の毛をガイドにして、上の毛を45度に引き出したところでカットしましょう。

オンザベースでそのまま横へ展開します。

オーバーセクションはしっかり根元からコーミングして髪を立ち上げて下さい。

逆サイドも同様に展開します。縦スライスでカットしたら、横スライスでチェックカットを忘れずに。

バックを切り終えた状態がこちら。ウエイトラインが水平になっていますね。

手順5.サイドのアンダーセクションをカット

ウエイトラインを平行にするので、サイドはスライスを平行に取り2つに分けます。

サイドを切り始める前に、まずはバックをチェックカットしましょう。

今チェックカットした角度に合わせてサイドをカットしていきます。ここも展開図の通りオンザベースで切り進めて下さい。

サイドもバックのウエイトラインに合わせて水平にカットしていきましょう。

手順6.サイドのオーバーセクションをカット

サイドのアンダーセクションが終わったらオーバーセクションへ移ります。アンダーセクション同様に、まずはバックをチェックして、その角度を意識しながら隣のパネルをカットしましょう。

オーバーセクションの時は、しっかり根元からコーミングして髪をシェイプするように気を付けてください。

縦スライスでのカットが終わったら、横スライスでチェックカットをして下さい。

逆サイドも同様に、まずはアンダーセクションをカットします。

アンダーセクションをカットし終えたら、ここで両サイドのもみあげの長さをチェックしましょう。長さに違いがあれば、調整してください。

左右のもみあげの長さが合ったら、アンダーセクションの横スライスでのチェックカット→オーバーセクションの縦スライスでのカット→横スライスのチェックカットの順に切り進めます。

サイドカットを終えた状態がこちら。ウエイトラインがバックの延長で水平になっていますね。

手順7.フロントをカット

前髪はトップポイントから目尻のラインで、ダッカールで取り分けます。

前髪を頭の丸さに対して真っすぐに引き出して、目の下で切ります。

続いて前髪ともみあげのラインをつなげるようにカットします。

後ろの毛も同じ場所でカットしていきます。

逆サイドも同様に展開してください。

顔回りのベースカットが完成しました。

手順8.トップカット

トップポイントの髪を真上に引き出すと、三角の角が出ますので、そこを頭の丸さに合わせて丸く切りそろえましょう。

続いて前のパネルに進みます。この時、髪を引き出す角度は、頭の丸さに沿って前へ引き出して下さい。

トップの両サイドは45度に引き出して、こちらも頭の丸さに合わせて丸くカットします。

トップポイントからゴールデンポイントの髪は、真上に引き上げてカットし、その後45度に引き出してチェックカットしましょう。

隣のパネルへ放射状に展開していきます。

手順9.アウトラインをチェック

アウトラインをチェックカットしていきます。

ここは45度に引き出すと角が出ますので、カットしておきましょう。

アウトラインのチェックカットを全て終えた状態がこちら。これでベースは完成です。

手順9.セニング&ニュアンスカット

ブローをしました。ウルフスタイルは、下がレイヤーで上がグラデーションなので、どうしても中間部分が重くなってしまいます。ここの下と上が繋がるように、これから梳いてきます。

メインで梳くのは、ミドルセクションから上のグラデーションの部分です。下のレイヤーの部分は梳くとペラペラになってしまうので注意してください。

セニングバサミを入れる角度は、カットラインと同じ角度です。バランスを見ながら全体的に梳いていきましょう。

正面から見て右半分だけ梳いた状態です。左右で違いが分かりますね。

逆サイドも同様に梳いたら、トップへ移ります。トップも全体的に毛先を梳いていきます。

全体的にセニングカットが終わったら、今度は細かくニュアンスを作っていきます。全体のバランスを見ながらチョップカットを入れていきましょう。

今回どこにどのくらいハサミを入れているか気になる方は、ページ上部にある動画の32分35秒~37分45秒を確認してみてくださいね。

こちらが完成形です。上はウエイトラインが水平な丸みショートスタイル。下はレイヤーを入れて、外ハネスタイルに仕上げています。

マッシュウルフのカットで失敗しないコツまとめ

ここまでAnphi売上No1スタイリストの大和田さんにマッシュウルフの切り方を解説していただきましたが、いかがでしたか?

最後に、ウルフカットの切り方で失敗しないコツをまとめておきます。

  • 切り始める前に展開図をしっかり頭の中で思い描く
  • バックのアンダーセクションでガイドを作る
  • 下のレイヤーカットがペラッペラにならないように、アウトラインの毛が落ちるところで、上のガイドからハサミを入れる
  • オーバーセクションの毛をカットする時は、コームを根元から入れてしっかりシェイプする
  • ウエイトラインが水平になるよう、頭の形に沿ってオンザーベースでカットする
  • 縦スライスでカットした後は、必ず横スライスでクロスチェックをする
  • 上のグラデーションと下のレイヤーがつながるように、ミドルセクションから上のグラデーションの部分をしっかり梳く
  • セニングバサミを入れる角度は、カットラインと同じ角度で

上記のポイントを押さえて、ぜひ一度試してみて下さいね!

この記事を書いた人

中村英二

神奈川・東京に大型美容室Anphiを複数店舗展開する会社、株式会社イーグラント・コーポレーションの社長。「美容師ファースト」を掲げ、日々より良いサロン創りに奮闘中!

関連記事