美容室の店長になるには?良い店長に必要な6つの能力
「スタイリストから店長へキャリアアップして収入を増やしたい!」や「どうしたら店長に抜擢してもらえるの?」とお考えの方に向けて、美容室を複数店舗経営する私、中村が考える会社が求める店長像や、良い店長になるためのポイント、店長の収入を解説します。
それでは早速、会社が「この人に店長を任せたい!」と思う人はどんな人なのか6項目に分けて解説していきます。
協調性がある人
人の好き嫌いを表に出さないで、上手く人付き合いができることが店長などの管理職には求められます。
敵をつくるタイプの人が嫌煙されるのはもちろんですが、一部の気に入っている人だけをえこひいきするような人は、店長には選ばれにくいでしょう。
管理職になったら、お店のスタッフどうしの空気感を良くし、スタッフ間のトラブルを解決したり、離職者をなるべく出さないようにするのが仕事。これには一緒に働くスタッフのことを思い遣って行動できる協調性が必要不可欠です。
普段から自分の都合・主張ばかりを相手に押し付けるような協調性のないタイプは、店長になった後にスタッフどうしのもめ事にもうまく対応できないでしょうし、スタッフの支持を得られずお店から一人また一人と退職者を出してしまうことがほとんど…。
その為、会社は“技術が高いけど協調性がない人”よりも“技術はそこそこでも協調性がある人”を店長にしたいと考えます。
お店のルールを守れる人
お店のルールを守れるというのは、店長になるのに最低限必要な能力。
ルールとは異なる予約の取り方を勝手にしたり、遅刻しがちだったり、シフトで決められた時間まで勤務しなかったり、自分の指名客に友達価格を適用したりなど、お店のルールを守らない人は会社から嫌煙され、出世が難しくなるでしょう。
店長になったら、そういうルールを守らない人に理を説いて、ルールを守るように指導することも仕事の内。それなのに、店長本人がルールをやぶっていたら、どうしようもないですよね。
また、会社が新たにルールを設けたり、既存のルール変更をお願いする場合、店長がそれをスタッフに伝えて、みんなに協力してもらう必要があります。
その為、スタイリスト時代から、会社の方針に「嫌だから」という理由だけでやらないような人は店長には選ばれません。
ルールに反対なら、代替案を提案して!
「会社のYesマンになれ!」と言っているわけではありません。会社として色々と考えた結果お願いしていることだから、基本的には指示したことは行ってほしいという意味。
もし、会社からの指示に反対なら、ただ「やりたくないです。」「無理です。」と言うのではなく、「〇〇という理由で、それはやらない方が良いと思います。」のように論理的な意見を述べるか、「そのやり方より、〇〇した方がよくないですか?」のように、代替案を提案してくれる人が会社から重宝されます。
自分のことだけではなく、お店全体を大切にできる人
自分のお客様・売上・道具だけでなく、お店全体を大切にできる視野の広さが店長には必要です。
自分が担当するお客様だけでなく、お店にご来店のお客様はみんな「自分のお客様」として捉えて、挨拶や対応をしっかりできる人が店長に選ばれます。
逆に、自分の収入のために、自分のお客様にだけ注力している人は、店長には選ばれにくいでしょう。
視野の広さは、緊急時にこそ発揮される
視野の広さは緊急時にこそ発揮されます。
例えば、あるスタッフの施術が遅れていて次のお客様をお待たせしてしまいそうなら、自分のお客様を気遣いながらも、お店をうまく回せるようにコントロールできるかが、店長になったら問われます。これは、お店全体を見れていないとできません。
普段からスタッフを大切にして適度なコミュニケーションをとり、みんなの能力を把握していてこそ、こういう時に最適な対応ができるでしょう。
自分のお客様ばかりを大切にしている人は、いざという時に適切な対応ができず、結果お店へのクレームにつながってしまいます。
お店への悪い口コミが増えていったら、結果として新規客数が減り、お店の売上が減ることになってしまいますよね…。
個人売上が高い=管理職に向いているわけではない
あなたが優秀なトップスタイリストで、個人売上が200万円あるとします。それ自体は素晴らしいことですし、会社としてもとてもありがたいです。
ですが店長になるなら、自分だけでなく他のスタイリストの売上を上げれる能力が重要になります。
例えばスタイリストが8人いるサロンで、店長が売上200万円、他のスタイリストが60万円だったら、お店の売上は620万円です。一方、店長が売上150万円、他のスタイリストが100万円だったら、お店の売上は850万円です。
どちらが、会社にとって有難い店長かは明らかですよね?
つまり、伸び悩んでいるスタイリストに対して、適切な技術・接客のアドバイスができたり、ホットペッパーの紹介文やクーポンを工夫して新規指名が付くようにできる人の方が、管理職として評価されます。
お店の備品も同じ。シザーなどの自分の仕事道具と同様にお店の備品を丁寧に扱えたり、みんなが気持ち良いように掃除を行える人が会社から評価されます。
自身の健康とメンタルのコントロールができる人
不健康で会社を休みがちな人や、日によって機嫌の良し悪しに大きくムラがある人は、店長には向いているとは言えないでしょう。
店長は、メンタルが弱い人のフォローや心のケアをしてあげたり、急な体調不良で休んでしまったスタッフの穴を埋めたりするのが仕事。本人が休みがちでは、その仕事が滞ってしまいますよね…。
もしあなたがメンタルコントロールが苦手なら、克服するための勉強会に参加したり、気分転換できるリラックス法を自分で探してみてはいかがでしょうか。
健康管理も仕事のうち
日頃から風邪にならないように食生活を気にしたり、自分にあった睡眠時間を確保したりも店長にとって大事な仕事。そして定期健診を受診して身体の異変にすぐに察知出来るようにしておくのも良いでしょう。
バイクやアクティブなレジャーが好きな人は、怪我をしないように気をつけるのも、大事な心がけだと思います。
自からお店の問題解決の為に行動できる人
お店毎にさまざまな問題・課題があると思います。集客なのか求人なのかシフトなのか…等々。
その問題に対して自分から考えて能動的に行動出来る人は、会社に管理職として求められます。
例えば集客だったら、より効果がありそうなクーポンを提案したり、スタイリスト事の発信を強化したり。
求人だったら、会社で採用してくれる人を待ってるだけではなく自分から知り合いの美容師さんにアタックしたり、SNSで発信したり。
シフトだったら、偏りすぎてるシフトをスタッフとコミュニケーションをとって上手に調整したり等々。
様々な事柄に対して、自ら考えて問題解決のために行動に移せる人は、会社にとってぜひ管理職についてもらいたい人材です。
数字に強い人
数字に強いというのも店長などの管理者には重要な能力。
「経理や財務を完璧にしろ!」というわけではありませんが、「1+1=3」と言ってしまうのは論外ですね(苦笑)
具体的には、自分が管理している店舗の売上や利益、材料費率、人件費率などを、質問された時にパッと答えられるくらいは求められます。計算ができるというよりは、お店の数字をきちんと把握していることが大切。
また、店舗の数字を見て、いつもと違うおかしい点に気づける能力も重要です。
わかりやすい例だと棚卸額や人件費が平月より上がりすぎていたり下がりすぎていたり、光熱費や割引額が急に高騰しているのに瞬時に気づいたり出来るのも大切な素養。
数字の改善を提案&実行できるのなら、なお良いでしょう。
そういう能力があれば、店長の次のステップであるマネージャーなどに抜擢される可能性も十分にあり得ます。
店長の収入はどうなる?
店長になったらいくらくらい稼げるのかというと、大抵スタイリスト時の月収から数万円アップ、もしくはご自身のスタイリスト収入+店舗売上の1%というケースが多いです。
当社の美容室Anphiの店長は、月収50~70万円程の方が多いですね。
【まとめ】美容室の店長になり、その後も良い店長として活躍したいなら
必須なのは1~4。5、6はあると強みになり、店長のさらに上のマネージャーやFCオーナーなどを任せてもらい易いでしょう。
- 協調性を高める
- お店のルールを守る
- 自分の売上・お客様だけでなく、お店全体を大切にする
- 自身の健康とメンタルのコントロールを心がける
- 自からお店の問題解決の為に行動する
- 数字に強くなる
お伝えした6つのポイントは、店長に抜擢されるにはもちろん、店長になった後、お店を良い状態にするのに必要な能力です。
というのも、実は過去に私が店長に抜擢した人で、上記の項目が足りていなく、結局スタッフとトラブルになって、店長を降りて退職することになった人がいたから。
これは私も任命責任を感じており、「いちスタイリストとして成績が良い=店長などの管理職が向いているわけではない」と考えるようになったきっかけでもあります。
あなたが店長に抜擢され、その後も管理者として活躍し続けられるように、ぜひ上記の6項目を覚えておいていただけると幸いです。
あなたのご活躍を祈ってます!
この記事を書いた人
神奈川・東京に大型美容室Anphiを複数店舗展開する会社、株式会社イーグラント・コーポレーションの社長。「美容師ファースト」を掲げ、日々より良いサロン創りに奮闘中!