経営に悩む美容師

そのまま独立して大丈夫?独立開業で失敗する美容師の例と解決策

更新日:2021/09/21
美容室社長中村英二

今日は独立して失敗する美容師さんの例を挙げていきたいと思います。自分には当てはまらないか?失敗しない為にはどうしたら良いのか?実際に複数店舗美容室を経営している私の経験談をもとにお話しさせていただきます。独立を考えている方にはぜひ、一読いただきたいです。

理念や想いが無い

独立する事に対して「なんとなく独立したい」という漠然とした考えで独立をしてしまう人や、「今の職場が嫌だから独立する」というネガティブな考えだけで独立する人は失敗している方が圧倒的に多いです。

逆に『自分はショートカットが得意だからショートカットを極めた尖ったデザインサロンを出店して色々な人にショートスタイルの素晴らしさを知ってほしくて独立』や『拘りのインテリアがあってそれらの販売もするサロン兼小物屋さんのお店をこの街でオープンしたいから独立』と具体的に理念や想いがある人は強いですね。そういう所にはコアなお客様やスタッフも集まっているように感じます。

独立前に自身の理想や独立の意義を要確認!

ゴール地点の設定をしてない

世の中で独立する美容師さんでゴール地点を決めないで独立をしてしまう人が本当に多い印象です。そういう人は必ずと言って良いほど失敗しています。

なんとなくお店を開業して、なんとなくスタッフが集まってきてくれたから採用して、なんとなくスタッフが減って行って、、そして気づいたら1人になって、、、という人が多いのです。

お店を増やす事が偉いわけでもなんでもありません。『カットを極めたお店を地域に根差して40年1人で運営する』や『夫婦2人で家兼お店をオープンさせて、子供達が成人してからも生涯現役でハサミを持ち続けて、お客様が来ている限りは一つのお店を営業しつづける』というのは、一つのゴールですし、志があって素敵だと思いませんか?

ゴール地点を決めないとフラフラしてしまいますし、不安がつきまとうものです。しっかりゴール地点を決めてから独立したらそれに向かって突き進んで行くことをおすすめします。

ゴール地点を設定して、その逆算で美容室を開業しよう!

集客の先読み予測が不十分

「前に勤めていたサロンでお客様がひっきりなしにいらしていたので、自分でお店を出店したら簡単に集客できるし、自分が担当していた顧客もみんな来てくれるだろう。」と思ってる美容師さんは危険です。

前のお店での集客力はそのお店の総合的な『力』であってあなただけの力ではありません。また、お客様は美容師さんが思っているよりもドライなので「新店舗出来たら必ず行くね♪」と言ってた方がオープンしてから来てくれないなんて事はよくある事ですし、逆に自分の事なんか無関心っぽい方がオープンしてから何故か追っかけて新店舗に来てくれたりなんて言うのは、美容師のあるある中のあるあるのお話ですね。

中村英二

集客の先読みは、お店を続けていく上で大事な要素です。たとえ初めは顧客が付いてきてくれたとしても数年後も通い続けてくれるとは限りません。前もってポータルサイトやSNS、リスティング広告などの集客ツールについて学んでおきましょう。各ツールの集客力がどうなのか、エクセルなどで数値を出して比較検討することをおすすめします。

既存客に甘えずに、集客ツールの勉強を!

求人や離職に関して定量的に判断できない

人口減少社会で店舗数だけが増え続けている日本の美容業界は、慢性的な人手不足が続いてます。そしてこれは今後もより加速するでしょう。どこも人手が欲しい状況なのです。その中で、求人や離職について定量的に判断や行動出来ない美容師さんは失敗してしまいますね。

求人費については、投資回収の目線で設定してみるのもおすすめです。例えば、スタイリスト1人採用するのに求人サイトで30万円かかったとします。ではその30万を回収するのには入店してくれたスタイリストが、いくらぐらい何カ月売り上げてくれたら回収できるのでしょうか?そういった目線で考えると、適切な費用を捻出できると思います。

また、離職についても、ただ単に『あいつ辞めやがった』では進歩がありませんね。職場を辞める時は辞めるなりの理由があります。人間関係なのか、給料なのか、やりがいなのか、何故辞めてしまったのかを深堀しましょう。退職理由をデータとしてストックしておけば次の求人に活かせますし次の離職を防げる可能性はあるので、定量的に判断して行きましょう。

入店理由・離職理由はデータを溜めて、次に活かそう!

当て勘で出店を決めてしまう

当て勘で出店を決めてしまうというのも世の中の美容師さんが陥りやすい失敗例です。「なんでその街で出店するのですか?なんでその物件ですか?」と聞かれた際に定量的に説明できない人が多いのです。なんとなくオシャレっぽい街だから、なんとなく富裕層が住んでそうだから、なんとなく家から近いから、、ただ単に前の職場が近くてお客様を連れてきやすいからetc…。

『なんとなく』で商売に関する事を決めてしまうのはとても危険です。きちんと事業設計をして、その逆算で街や物件を選んだ方が失敗は少ないでしょう。

街の商圏と競合店の割り算で考える

私がサロンを出店する時に見るのは、その街の商圏、うちのサロンのメインの顧客層の30代女性が何人住んでいるかの常住人口やその街に日中働きにくる昼間人口等のデータと、競合の美容室がいくつあるかです。人口÷お店の数の数値が高ければ、まだ出店の余地がありますが、低ければ失敗する可能性が高いですよね。美容室が本当に沢山あるなかで新規出店をするので、必ず数値で出店戦略を立てるようにしています。

中村英二

1人サロンでやる場合はマンパワーでどうにかなる事もありますが、仲間を集めての多店舗展開を考えてる美容師さんは当て勘での出店は絶対に止めましょう。仲間を不幸にする可能性は少しでも少ない方が良いですよね。

勘ではなく、街の商圏や競合店等の数値で出店場所を決めよう!

儲かったら調子にのってお金を使い込みすぎる

お店をオープンさせて、お客様やスタッフも順調に定着してきて毎月残るお金に余裕が出て来ると「安定している」と感じるようになります。それは良い事なのですが、そうなるとついつい気が大きくなり、身に着けてる物が派手になったり、高級車を乗り回したり、必要ない飲み歩きをして、税金を払いたくないからと、これらの事を全て経費にしてしまいがちです(ある程度の高級品は減価償却の対象にはなりますが)。

高級な車等は確かに自分のモチベーションの原資にもなりえますし一概に全て良くないとは言いきれませんが、どちらかと言うと、自店舗のスタッフが高級な車に乗れるような給与水準を目指した方が良いと思います。

また、個人事業主だとお店のお金と自分のお金を区分けしずらくなってしまいますね。通帳でもお店用とプライベート用はしっかり分けて毎月の給与もお店用の口座からプライベート用に振り込む等して、まずはお店と自分とでお金を分ける事から始めた方が良いでしょう。

お店は7~8年もしたら古くなります。改装を行う必要も出てきたり、美容機器を買い替える必要が出てくるでしょう。その時のために、会社にお金を残しておく必要があります。「税金対策」だからと言って、お金を使いこみ過ぎないようにして下さいね。

「経費!経費!」と言ってお金を使いこまずに、未来の為の蓄えを!
中村英二

ちなみに僕はボコボコの中古ステップワゴンをずっと乗り続けてます(笑)

組織の構築が出来ない

世の中の美容師さんはカットやカラー等の美容の技術は散々練習するし勉強するのですが、組織造りの勉強をしてなくて独立して多店舗経営を目指すものの失敗してしまう人が多い印象です。

1人で営業してそのまま行く人は特に考えなくても良いですが、仲間を集めてオープンしたら、その仲間内で既に組織を造らないとならないですし、2号店目を造るとなるとその2つのサロンの組織編制やユニット、人財の配置や給与体系はしっかり構築しないといけないでしょう。3号店、4号店と増やして行くのであれば、尚更ですね。

世の中の美容室を見渡してみると、美容師じゃない人が経営している美容室の方がそういった組織の構築が上手な印象です。恐らく、職人美容師じゃないからこそ『ヘアサロンビジネス』を客観的に見れるのではないでしょうか?

中村英二

組織力の勉強をする方法は2号店目の出店に悩んでいたら既に2店舗出店してる美容室。3号店目に悩んでいたら既に3店舗出店している美容室と、自分よりも少し先に進んでいる所の仕組みを勉強することをおすすめします。

技術の勉強ばかりでなく、経営者として経営の勉強を!

共同経営

前の職場の同僚や美容学校時代の同級生と共同経営にて美容室を開業する美容師さんもたまにいらっしゃいますが、大抵は失敗して別々のサロンになってしまってますね。何で上手く行かないのかと言うと、どうしてもやり方や意思決定で揉めてしまうからです。

サロンの現場は内装、メニュー、それこそ理念や備品のボールペン1つ買うのも全て意思決定の連続です。それらの意思決定は基本的に全てオーナーが行うものですが、そのオーナーが2人いたら2人分の思惑がありますよね。両方が『自分の店』と思っているからこそ何かの意思決定で片方の意見が通らないと、その片方にフラストレーションが溜まってしまいますし、それが積みあがっていって『なんでこいつとお店やってるんだっけ』となり、自分が思っていると言う事は相手も思ってる事でもあり、そこのお店は近い将来別々の道を歩んで行く事になります…。

大事なのはお金を出してリスクを背負うのはオーナー1人であり、そのお店の意思決定者はオーナー1人だけ。そこに尽きるのかなと思います。とは言っても共同経営する当人同士は、それなりに盛り上がってますし、周りにも散々反対はされてるでしょうけど、もう止める事が出来ないんですよね…この記事を共同経営にて美容室開業しようとしてる美容師さんには一読してもらって一旦冷静に考えてもらえたらと思います。その共同経営は本当に必要ですか?

夫婦や兄弟経営は上手くいくケースが多い

とは言え、共同経営だと100%上手くいかないという訳ではありません。上手く行くケースもあります。それは夫婦や兄弟での経営です。特に統計をとった訳ではないですが、夫婦で美容師だったり兄弟揃って美容師だと高い確率でその2人でお店を開業する傾向があります。夫婦でお店やってると毎日喧嘩が絶えないですが、なんだかんだで妻は夫を立てますし、赤の他人ではなく家族で、2人の共通して守るべき子供もいたりで結束力は強いですね。兄弟も、弟は兄を立てますしね。コンビニチェーンやその他の店舗型FCでも夫婦経営のFC加盟を推進してるのは、そのような理由からではないでしょうか。

お友達と共同経営を考えているあなた、その共同経営は本当に必要ですか?

まとめ

さて、ここまで僕自身が色々な美容師や美容室をみたり実体験を元にしたりして、美容師さんが独立で失敗する例をあげてみました。失敗の定義も様々ですが、1人でも多くの美容師さんが独立時~独立してからも失敗しない人生を歩んでくれたらと思います。

この記事を書いた人

中村英二

神奈川・東京に大型美容室Anphiを複数店舗展開する会社、株式会社イーグラント・コーポレーションの社長。「美容師ファースト」を掲げ、日々より良いサロン創りに奮闘中!

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