美容室の開業資金はいくら必要?1人独立、3人店の相場と内訳
独立しようと思っている美容師さんが一番気になるのが「開業資金はいくら必要か?」ではないでしょうか。美容室を複数店舗運営する私が、実際にどういう項目でいくらくらいかかるのか、1人独立と3人のお店の場合の相場を算出しました。内訳や、安価にする方法、資金の調達方法も詳しく紐解いていきます。
開業費の相場
まず、開業の割合が高い1人独立の費用と3人のお店の場合で、美容室を開業する際にどういった項目にどのくらいかかるのか、費用相場を表にしましたのでご覧下さい。
1人独立で10坪店舗の費用相場
項目 | 費用 |
---|---|
物件取得費 | 110万円 |
内外装工事費 | 400万円 |
美容機器 | 80万円 |
材料代 | 20万円 |
備品代 | 30万円 |
広告宣伝費 | 20万円 |
求人費 | 0円 |
運転資金 | 100万円 |
合計 | 760万円 |
3人で20坪店舗の費用相場
項目 | 費用 |
---|---|
物件取得費 | 220万円 |
内外装工事費 | 800万円 |
美容機器 | 160万円 |
材料代 | 40万円 |
備品代 | 60万円 |
広告宣伝費 | 40万円 |
求人費 | 0円 |
運転資金 | 150万円 |
合計 | 1,470万円 |
今回1人店はお店の広さが10坪、3人店は20坪と想定して算出しました。1人独立の場合は760万円、3人のお店の場合は1,470万円と、お店の規模によってかかる費用は大きく変わってくることが分かります。
さらに、お店の立地や内外装のこだわり具合によっての差を踏まえると、1人独立で10坪の美容室を開業したいのなら700万円~1,000万円、3人店で29坪の美容室で開業したいのであれば、1,400万円~1,800万円ほどで見ておけば問題ないでしょう。それでは、ここからは項目毎に詳細を紐解いていきます。
物件取得費
物件を借りるにあたっての初期費用となるのが物件取得費です。賃料を払い始める前の契約段階で支払うもので、賃料に応じての料金となります。物件取得費の内訳は下記の5項目が一般的です。
【内訳】
- 保証金
- 賃料の10ヵ月分
- 空家賃
- 賃料の1ヵ月~2ヶ月分
- 礼金
- 賃料の1ヵ月~2ヶ月分
- 仲介手数料
- 賃料の1ヵ月分
- 保証会社手数料
- 賃料の1ヵ月分
賃料
賃料の相場は、街やその物件の条件等によって様々なので一概には言えないですが、大体独立して最初にお店をオープンする時は坪当り1万円前後の賃料の物件でトライするのが良いでしょう。管理費が別で発生するケースもあるので注意して下さい。
保証金
保証金と言うのは家を借りる時の敷金と名称が違うだけで内容は一緒です。通常では賃料の10ヵ月分で一般公開されているケースがありますが、交渉次第で8ヶ月分~6ヶ月分ぐらいまで落とせる可能性があります。ちなみにこれは家主さんに預けているだけのお金なので、解約して出ていく時は戻してもらえます。ただ「保証金は賃料の1ヵ月分は償却」、つまり1ヵ月分は家主さんにあげるという契約となる場合がほとんどです。
空家賃
物件は契約したらその契約日から家賃がかかりますが、契約日にそのままお店をオープンする事は不可能ですよね?なので契約日から起算してオープンするまでの期間は、どうしても家賃が発生してしまいます(内外装工事も契約後しか入れないですし)。これを空家賃と呼びます。よって物件の契約をしたら、なるべく速やかにオープンまでこぎつけないといけません。
フリーレントの交渉で経費削減を
大体、空家賃の発生を2ヶ月として設定するのが標準だと思いますが、ここは家主さんとの交渉で不動産用語で『フリーレント』と言う交渉も出来ます。”家賃発生をオープン日に設定したり契約してから2ヶ月は家賃発生無し”というものです。
またちょっとテクニカルな手法ですが、フリーレントの代わりに保証金2ヶ月償却や3ヶ月償却での交渉をするという手法もあります。家主さんによってはフリーレントの交渉に応じてくれない方も一定数いらっしゃいます。そこで、フリーレントの代わりに物件を借りる際に預ける保証金を2ヶ月償却や3ヶ月償却(つまり2カ月分は家主さんにあげる)としてもらう訳です。
結局お金を大家さんにあげることに変わりはないのですが、物件を解約する際に戻ってくる予定のお金を先に渡すことになるので、初期費用は抑えられます。よって、オープンまでの手持ちのキャッシュフローはフリーレントにしてもらうのと変わらなくなります。
礼金
これも不動産業界の古くからある慣習で(関東だけで地方には無い地域も多いみたいですが)家主さんに払うお礼金です。こちらも相場は1ヵ月~2ヶ月で、交渉して1ヵ月で落ち着くパターンが多いですね。
仲介手数料
仲介してくれた不動産屋さんに払う手数料です。こちらは相場は1ヵ月分です。アパートやマンションの仲介に比べて、店舗物件は賃料が高いケースが多く、仲介手数料も高額になる事が多いです。賃料100万円の物件でしたら仲介手数料100万円になりますよね。これが店舗物件に特化した不動産屋さんが存在する所以です。
保証会社手数料
これも店舗不動産業界の不思議な慣習で、契約時に保証人を求められますが(大体は親や親戚&兄弟にお願いするケースがほとんどだと思います)、それに追加して保証会社の契約も別で求められるケースがよくあります。その際に発生するのが保証会社手数料です。
アパートやマンションを借りる時は保証人や保証会社のどっちか一本のみでOKなんて物件も普通にあるのですが、店舗物件はそうはいきません…なのでこちらも賃料の1ヵ月分が相場なのでそちらでみておきましょう。
以上が物件取得にかかる初期費用の内訳です。そして意外とみなさん見落としがちなのが更新についてです。
物件の更新は通常2年~3年に設定されている事が多いですが、これを最長で5年ぐらいまで延長できるのであれば5年にしましょう。その時にダメ元で、更新料無しの交渉もしてみるのも一つの手です。更新料に関して、特に不動産まわりの法律に規定されているわけではないので払わなくて済むのであれば払いたくないですよね。全ての事柄に疑問を持って物件取得を行って下さいね。
内外装工事費
内外装工事費は美容室開業費の中でも特に費用がかかる項目です。最初の相場で示した通り、内外装費は1人10坪店で400万円、3人20坪店で800万円と、それぞれ開業費全体の半分以上を占めます。内訳を見てみましょう。
【内装内訳】
- 床
- 壁
- 天井
- セット面
- 給排水
- 空調
- 電気
- ガス
【外装内訳】
- 看板
- ファサード
- 壁
- 扉
内装工事には天井や床、壁の造作、セット面などの内装工事に加え、給排水や空調、電気、ガスなどの設備工事も必要になってきます。外装工事はマンションの一室ではかかりませんが、路面店の場合はファサードや看板、外装ペンキ塗りなどが発生します。
内外装は高くしようとすればいくらでも高くなりますし、安くしようとすればいくらでも安くはなりますが、一般的には坪あたり40万円が相場です。それより大幅に安くすれば安いなりになりますし、高くすれば高いなりのクオリティとなるでしょう。
価格交渉できるのは契約前まで。必ず相見積りを!
なるべく費用を抑えたい場合は、必ず複数の業者に相見積もりを取りましょう。価格交渉できるのは契約前までです。
捻出できる予算と抑えてほしいポイントを詳しく伝えて、その予算内でどこまでのクオリティで造れるかをしっかり確認しましょう。マナーとして、相見積もりを取る旨を業者には必ず伝えて下さいね。
安く済ませたいのなら居抜き物件を取得するのも手
「そこまでお店の見た目にこだわりはない」「出来るだけ安く開業したい」という方は、美容室の居抜き物件を探すのも手です。居抜きなら、美容室の営業に必要な一通りの設備は整っていますので圧倒的に安く済みます。
看板を変え、汚れが目立つところだけ取り換えればOKでしょう。次の項目の美容機器も居抜きの場合残っているはずなので、使えるものは使えば開業費をかなり圧縮できますよ。
美容機器の費用
続いて美容機器の費用です。大きなものでいうとシャンプーボールやデジパーの機器、小さなもので言えばアイロンやドライヤー、ワゴンなどが含まれます。
- シャンプーボール&椅子
- 1台40万円~60万円程
- セット椅子
- 1台3万円~5万前後
- デジパーの機械
- 15万~25万円
- パルッキー
- 40万円~60万円
- 炭酸線の機械
- 40万円~60万円
- ストレートアイロン
- 数千円~一万円前後
- コテ・ドライヤー
- 数千円~一万円前後
- ワゴン
- 数千円~一万円前後
シャンプーボール&椅子、セット椅子
美容室の美容機器で買うべき物で主な物は、シャンプーボール&椅子、セット椅子の2点です。まず、この2点がなければ美容室は成立しませんね。シャンプーボール&椅子のセットで物にもよりますが通常新品で1台40万円~60万円程です。高級な物で100万円を超えてくる物もあります。そしてセット椅子は通常新品1台3万円~5万前後ぐらいで高級な物になってくると15万円~20万円ぐらいかかります。
デジパーの機械、パルッキー
それ以外の美容機器ですとデジパーの機械、蒸気を出すパルッキーを使用する場合はパルッキーが大きな美容機器となります。デジパーの機械の相場は15万~25万円ぐらい。パルッキーは40万円~60万円ぐらいじゃないでしょうか。別で炭酸線の機械を導入する場合も40万円~60万円ぐらいですね。デジパー、パルッキー、炭酸泉に関しては導入しないサロンもあります。
これらの物はビューティーガレージ等の中古品ショップに安い物が出ていたりするので、そこまで拘りが強くなければ中古品でも良いかもしれないですね。逆にこの美容機器で拘りを出してPRしたい場合は、予算を始めに挙げた例よりも多めに組む必要があります。
アイロン・コテ・ドライヤー
そしてもう少し小さな物で言うとストレートアイロンだったり、コテやドライヤー、ワゴン等も美容機器に入るでしょう。ホットカーラーは最近使用してる所は少ないですね。これら小さな美容機器の値段もピンキリで、もちろん最近は2万円以上する高級ドライヤーなども流行っていますが、値段を抑えたければディーラーから買わずに量販店で購入しても良いと思います。
美容機器のリースはリース会社が儲かる仕組みなので極力避けましょう
美容機器に関して陥りがちな間違いは、初期費用を抑えられるからとリースを組んでしまう事です。リースは確かに初期費用は抑える事はできますが、その後の毎月のリース料がランニングコストとして重くのしかかってきます。
リースを組む時に連帯保証を組まされるので逃れられません。また、リースは銀行の借入返済+金利よりも安くなる事はなく、リース会社だけが儲かる仕組みです。ですので美容機器に関してリースを組むのは止めましょう。
材料代
材料も最初に一定数仕入れた状態でオープンする必要があります。仕入れ先に関しては大体、以前勤めていたサロンに入っていたディーラーさんにお願いする方が多いですね。材料代の主な内訳は下記の通りです。
【内訳】
- カラー1剤
- オキシ(カラー2剤)
- 縮毛矯正剤
- トリートメント剤
- シャンプー
- スタイリング剤
スタイリング剤等、細かい物もありますが美容材料で一番のボリュームゾーンは、カラー1剤(ブリーチ含む)、オキシ(カラー2剤)、縮毛矯正剤、トリートメント剤の4つですね。
美容師さんが一番拘りが強いのがカラー1剤、縮毛矯正剤、トリートメント剤ではないでしょうか。そしてその4つをしっかり管理すれば、オープン後の原価率を操作できるといっても過言ではありません。
目指すは原価率10%
通常、美容室の原価率は店販を含め10%~15%ぐらいです。店舗が増えて来るとディーラーへの交渉が効いてくるので、10%以下にする事が出来ます。まずは1号店目は原価率10%を目指しましょう。
備品代
- タオル
- 50枚5千円~1万円
- 文房具
- 1万円以内
- パソコン
- 5万円~15万円
- 電話&FAX複合機
- 5万円~15万円
- 待合いチェアー
- 数千円~数万円
- 洗濯機
- 5万円~10万円
- 乾燥機
- 5万円~10万円
- 冷蔵庫
- 2万円~10万円
- キャッシュレス決済端末
- 0円~5万円
美容室の備品で言うと、文房具やタオル類、パソコンや電話&FAX複合機、待合いチェアー、洗濯機や乾燥機、冷蔵庫、キャッシュレス決済サービス端末等があります。
文房具類は100均や量販店での購入になるでしょう。私はいつもボールペン、ホチキス、クリップ、ファイル、テープ、付箋、印刷用紙などを買っています。1万円みれば十分でしょう。
タオルはリネンタオルだと個人のお店は高くついてしまうので、最初にまとめて購入して自力で洗う事をお勧めします。そして、洗濯機&乾燥機を置くスペースを確保できなかったり初期費用を抑えたければ近くのコインランドリーを利用する事が望ましいですね。
冷蔵庫も置けばスタッフ満足度は高まりますが意外と冷蔵庫がないお店もザラにあります。
待合いチェアーはネットの中古品をみてみるのも良いですし、イケアやニトリ等でもある程度の物が揃えられると思います。
電化製品全般に言える事は家電のアウトレットも探せば沢山あるので、費用を抑えたければそちらも検討してみて下さい。
これから美容室をオープンするなら、キャッシュレス決済サービスの導入は必須
クレジットカードや電子マネー、QRコード等でお支払いするお客様がここ数年で急増しています。その為、これから美容室をオープンするのならキャッシュレス決済サービスの導入は必須でしょう。初期費用は0円のところが増えていますので、選ぶ際は「決済手数料」や「入金サイクル」、「振込手数料」等をしっかりチェックすることをおすすめします。
広告宣伝費
ロゴ
お店の店名やコンセプトを決めたら、ロゴを作ります。ロゴの制作は友達で作れる人がいたら遠慮せず甘えて無料で作成してもらいましょう(笑)
周りにそういう友人が居ないのであれば、ネットでフリーのデザイナーが集まって仕事を請け負ってくれるサイトもあります。
上記の様なサイト内でしたら、ロゴの制作をメールのやり取りのみで2万円~3万円の報酬で請け負ってくれるデザイナーさんもいらっしゃいます。制作会社やデザイン事務所に依頼するとロゴ制作だけで10万円以上はするでしょう。
サロン名が決まったら商標の確認を
サロン名が決まったら、同じ名前の美容室が既に商標登録されていないか確認しましょう。該当がなければ、自身のサロン名を商標登録することをおすすめします。自身で行うか、商標登録専門サイトで行うか、弁理士に頼むかのいずれかになります。ご自身で行う場合は約5万円、サイトを利用すると5~10万円、弁理士に依頼すると10~20万円程度です。
ショップカード・ポイントカード
ショップカードやポイントカードもロゴ同様のデザイン費がかかります。さらにプラスで、印刷代や郵送費がかかります。ただ、時代の流れとしてはペーパーレス化が進んでいるので、ポイントカードは作らない所が増えつつあります。私たちのサロンでも作らなくなりました。
LINEのショップカードで経費削減
私たちのサロンでは、ポイントカードを印刷しない代わりに、LINEのショップカード機能を利用しています。ショップカード機能だけでしたら無料で使えますので経費削減になりますね。
集客の為のポータルサイト
オープン時は、集客の為にホットペッパービューティーに掲載するサロンがほとんどだと思います。掲載する地域やプランによって、そして場所によっては道路一本挟むだけでも値段がかなり違って来るのが悩ましい所です…。
まずはその出店候補物件近辺のプラン料金一覧とプラン事の掲載店舗数を営業さんに出してもらいましょう。1人サロンで既存顧客様が沢山いる美容師さんで予約機能のみ使いたいと言う方もいると思います。そう言う場合は1ヵ月5万円以下で使用できるのでそちらで検討してみても良いと思います。
他の美容室検索サイトだと、成果報酬のみで掲載できたりするのでそちらもおすすめですよ。
ホームページ
美容室は集客をポータルサイトやSNSで行う場合が多いので「ホームページは必要ない」という意見もありますが、ポータルサイト内やSNS内では伝えきれない内容を伝えたり、求人の為にしっかりしたホームページを作って信頼性を高めたいという方も多いですね。
ホームページの制作費は本当にピンからキリまであります。制作会社に依頼する場合は10万円~、ホームページ作成サービスを利用して自作する場合は月額数百円~と料金が大きく違います。また、制作会社に依頼する場合でも会社によって何十万円も差がでます。
ホームページを作成する目的をしっかりと定めた上で、どんなホームページにするか、どうやって作るかを検討してみて下さい。ホームページについては下記の関連リンクで詳しく解説していますので、参考にしてみて下さいね。
求人費
一人独立の場合はもちろん求人費用は発生しませんし、複数人で美容室を開業する場合も最初は縁故でメンバーを集める場合がほとんどなので、今回の開業資金の求人費は0円としました。
ただ、複数人でお店を運営していく場合は、いずれは求人費が必要になると考えておいた方が良いでしょう。スタッフ達へ良い未来を提示できなければいずれは辞めてしまいますし、予期せぬトラブルが発生することもあります。
求人サイトへの掲載や、美容師専門のエージェントへの登録、SNSでの発信等、方法は色々あります。リスクヘッジの為にも、何かある前から検討しておくことをおすすめします。
運転資金
僕たちのような店舗型現金商売のサービス業全般に言える事ですが、一度お店をオープンしてしまえば日々の売上金が入ってきますし、材料や家賃の支払いは月末に後回しにする事が出来るので日々のキャッシュフローは楽にはなります(クレジットカードを入れてる場合は入金のサイクルは少し遅くなりますが)。
ただ何かあった時の為に、自分の最低限の生活費とは別に資金を確保しておきましょう。1人だけの個人サロンでは100万円を、仲間を複数人集めてのパターンのサロンなら150万円程は確保しておいた方が良いですね。
「商売は月商の3カ月分のお金を持っておいた方が良い。」なんて言葉もありますので、オープンしてからは月商の3カ月分ぐらいを手持ちの運転資金として確保できるように頑張って下さい。
開業資金の調達方法
ここまでで、美容室を開業するためにいくら資金が必要なのか、おおよその目安はついたのではないでしょうか。続いて、この資金の調達方法について解説していきます。
自己資金を貯める
独立開業するのなら、ある程度は自身でお金をためておく必要があります。この「自己資金」で開業資金を全額賄えるのでしたら、それに越したことはありません。
ただし前述した額の通り、店舗が大きくなればなるほど開業資金は高額になるので、人を雇って開業する美容室オーナーのほとんどが、自己資金に加えて借り入れを起こしています。
親族から借りる
美容室オーナーの中には、「開業資金の一部は親・兄弟などの親族から借りた。」という方もいらっしゃいます。ご親族の経済状況がよく、躊躇なくむしろ応援して貸してくれるような関係でしたら借りるのも手でしょう。ぜひお礼付きで返済して下さいね!
日本政策金融公庫から融資を受ける
開業資金を借りるなら、国の機関である日本政策金融公庫がおすすめです。公庫は国が100%出資している機関ですので、民間の金融機関と比べて、低金利でお金を借りることができますし、何よりまだ実績のない創業時でも審査が通り易いのです。
さらに原則として、無担保で保証人がいなくても融資を受けることが可能です。
融資を受ける流れ
- 事前相談:電話、オンライン、支店で相談可能
- 融資の申込:インターネットで申込む
- 面談:事業計画等について質問される
- 調査:担当者が店舗へ調査
- 融資決定の可否
- 契約手続き:融資が決まったら、契約の手続き
- 融資:指定の口座へ振り込まれる
- 返済:返済は原則として月賦払い
公庫で融資を受ける場合の、主な流れは上記の通りです。融資の申し込みは、公式サイトから24時間いつでも可能です。事前相談も電話や、ネット、支店で受けられます。
融資に必要なもの
- 創業計画書
- 設備資金のお申込の場合は見積書
- 履歴事項全部証明書または登記簿謄本
- 都道府県知事の「推せん書」または、生活衛生同業組合の「振興事業に係る資金証明書」
- 運転免許証またはパスポートのコピー
- 事業計画書
- 自己資金(開業資金の3割以上)
公庫から融資を受ける場合でも自己資金は必要
日本政策金融公庫から融資を受ける場合でも、自己資金が全くないと審査は通りませんので、ある程度の自己資金は必要です。目安として、必要な開業資金の3割は自己資金を用意しておきましょう。例えば開業資金が1,000万円なら、300万円の貯金は必要ということです。
開業資金0円で美容室オーナーになりたいのなら
美容室を開業するのにいくらかかるかや、その資金の調達についてお話ししましたが、いかがでしたか?もし、この記事を読んで、「開業資金を集めるのは大変そうだな…」「まだまだお金が貯まるのに時間がかかりそうだな…」「1,000万円近くも借り入れを起こすのは不安…」という気持ちになった方は、既存の美容室の独立支援制度を活用するのも手でしょう。
一言で「独立支援制度」と言っても、サロンによってその制度内容はさまざまです。独立希望者に既存店を簿価で買い取ってもらう方式もあれば、買取費用は発生しない場合もあります。前者ですと結局開業資金が必要ですが、後者ですと開業費は0円で済みます。毎月のロイヤリティー(ブランド使用料)の支払いは固定の場合と、売上に応じて変動する場合のいずれかが一般的ですね。
私が運営している美容室の独立支援制度なら、開業資金0円で繁盛店のオーナーになることができます。初月から利益100万円も可能ですので、開業リスクが非常に低いです。興味がある方は、ぜひ一度ご相談下さい。