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美容師の転職事情2022年版|転職理由や働く美容室に求めることは?

更新日:2022/02/12
美容室社長中村英二

2022年2月に現役美容師500人に対してアンケート調査を実施し、転職経験の有無や、その理由、働く美容室を選ぶ際に重要にしている事柄などを伺いました。結果、今美容師が職場に求めていることや、サロン側の課題が見えてきました。スタッフの離職で悩んでいる店長や、求人の募集をかけても人が集まらずに悩んでいるサロンオーナーさん必見です!

【アンケート概要】
  • 対象:日本全国の20代~60代の現役美容師
  • 回答者数:500人
  • 実施年月日:2022年2月1日~3日
  • 調査方法:インターネット調査

アンケートに回答してくれた美容師の働き方

今回アンケートに回答してくれたのは、男女それぞれ250人ずつで合計500人、20~60代の現役美容師さんです。回答者の皆さんの現在の働き方は下記の通りです。

正社員として働いている方が25.6%、業務委託美容室で働いている方が25.2%とほぼ同列で一番多い結果となりました。

続いて、オーナーが22.6%、パート・アルバイトが17.2%、シェアサロンや面貸しサロンを利用している方が5.8%いらっしゃいました。その他は3%で、「家族従業者」と回答している方が多くみられました。ご夫婦で美容室を経営されている方の旦那様か奥様だと考えられます。

10年程前は、正社員として美容室に勤める方が多かったですが、現在は業務委託美容室で個人事業主として働く美容師さんが増えた印象ですね。

美容師が職場を決める際に重要視しているのは給与&お店の雰囲気&自宅の通勤のし易さ

現役美容師さんが職場を決める際に重要にしている指標は何か、複数選択可で質問したところ、最も多かったのは「給与」で266回答、僅差で「お店の雰囲気」が251回答となり、どちらも50%以上の方が選択していました。続いて「自宅からの通勤のしやすさ」が220回答、「職場の人間関係が良好そうか」が185回答と多い結果となりました。

オーナーとしてできる事は、待遇の見直しや客単価アップの為の施策、サロンの内外装のおしゃれさや清掃の徹底、人間関係のトラブルが起きにくく気持ちよく働ける環境づくり、駅近や車で通勤できるといった出勤が楽な場所への出店などが挙げられますね。

休みの多さや社会保険完備を求める声は2割程

「休みの多さ」は138回答、「社会保険完備か」は126回答となり、2割以上の方が選択していました。言い換えれば、正社員サロンで「社会保険完備」であることを売りにしている美容室や、休暇を充実させているサロンならこの2割の層に選んでもらい易いでしょう。

お店がターミナル駅にあるかや、社割の有無、SNS発信の良し悪しは就職・転職の決定打となりにくい

一方で、一番選ばれなかった選択肢は「ターミナル駅かどうか」で4回答でした。続いて「お店のSNSの発信内容の良し悪し」が10回答、「自身の憧れのスタイリストがいるかどうか」が16回答、「社割が利用できるか」が18回答と僅差で少ない結果となりました。これらの内容は美容師が就職・転職先を選ぶ際の決定打となりにくいと言えるでしょう。

現役美容師の約7割が1回以上転職した経験がある

現役美容師500人中339人の方が転職した経験があると回答しました。割合にすると67.8%と、全体の約7割に上ります。

なお、内訳としては1回が最も多く21.8%、続いて2回が17%、3回が13%、4回が5%でした。一方で5回以上を選択した方も11%いらっしゃり、美容師は職場を変えることが多いという実情が浮き彫りになりました。

転職理由は「人間関係」が最多で4割以上にのぼる

転職を実際にした339名にその理由を複数選択可で質問したところ、「人間関係」が143回答と最も多く、42.2%が選択していました。続いて「会社に将来性を感じなかったため」が92回答で27.1%、「思っていたより稼げなかったため」が76回答で22.4%と続きました。

転職理由で一番多いのが「人間関係」であるというのは、どの業界でも同じでしょう。実際の現場では、離職する際に「人間関係が理由で辞めます。」とか「〇〇さんと気が合わないから辞めます。」と言って辞めていく方はほとんどいないでしょう。

そのため実感しずらいかもしれませんが、言わないだけで心の中では人間関係を理由に辞めて行く方が4割以上いるということを、店長やオーナーは肝に銘じて、運営を改善していく必要がありそうですね。

「会社に将来性を感じなかったため」が約3割

2番目に多かった「会社に将来性を感じなかったため」も27.1%と3割近くいらっしゃり、この層の離職を防ぐには美容室の店舗展開や会社の事業を拡大していく必要があることが分かります。

「思っていたより稼げなかったため」の声も

「思っていたより稼げなかったため」は22.4%でした。今回、現役美容師のみなさんはどのくらいの月収なのかも伺ったところ、下記の結果となりました。

美容師の給与調査

一番多かったのが15万円未満で30.8%、2番目に多い15万円~20万円未満の15.6%と、3番目に多い20万円~25万円未満の13%と合計すると、59.4%となりました。一方で、80万円以上の方が2.8%いらっしゃいました。

現役スタイリストの給料調査

正社員雇用で働くスタイリストと業務委託美容室で個人事業主として働くスタイリストに絞ってみたところ、一番多かったのが20~25万円未満で23.7%いらっしゃいました。続いて25~30万円未満が22.7%、15~20万円未満が21.6%となりほぼ同数という結果となりました。

正社員雇用で働くスタイリストと業務委託美容室で個人事業主として働くスタイリストの給料は25万円未満が53.61%になります。確かに額面でこの額ですと「思っていたより稼げない。」と給料に満足できずに辞めてしまう方が多いというのも納得ですね。

入社前に期待を持たせ過ぎないことが大切

「思っていたより稼げなかったため」を理由とした離職を防ぐ為には、入社してもらう前に期待を持たせ過ぎないことが大切になるでしょう。見学時に「うちに来たら稼げますよ」とだけ話すとギャップが生まれがちです。フリー客の見込み数や、指名を付けないと給与はいつまでも上がらないことなど、あなたのサロンの実情を理解してもらって入社してもらえば、「思っていたより稼げなかったため」という理由で離職される方は減るのではないでしょうか。

現在の転職意向は「特に考えていない」が68%と最多

「今の職場から転職しようと考えていますか」という質問に対して、「今まさに転職活動中」と答えた方が5.4%、「今すぐにではないけれど、数年後には転職しようと思っている」が9.8%、「今すぐにではないけれど、数年後には独立しようと思っている」が4.8%となり、合計で20%の美容師が転職意向があるという結果となりました。

一方、「今の職場に大変満足しているので、将来ずっとこの職場にいたい」が5.4%、「現状に満足しているので、転職予定は今のところない」が5.6%と11%が現在の職場に満足しており、転職意向がないことが分かりました。

最も多かった回答は「特に考えていない」で68%にのぼり、圧倒的多数でした。

「現状に満足しているので、転職予定は今のところない」や「今すぐにではないけれど、数年後には転職しようと思っている」という選択肢もあるのに、「特に考えていない」を選択する方が7割近くにのぼる結果になるとは意外でした…。

現役美容師さんの多くは「現状に不満足でもないけど満足しているわけでもない。」という心境で日々サロンワークをしているようですね。

転職予定がない美容師の理由は「人間関係が良好」が3割

現在転職予定が無い方395人にその理由を聞いたところ、最も多かったのが「人間関係が良好」の124回答で31.3%、続いて「特に満足していないが、不満でもない」が116回答で29.4%という結果となりました。

転職理由で「人間関係」を選んだ人が一番多く、転職予定が無い理由で「人間関係が良好」が一番多いことからも、やはり美容師の転職において「人間関係」が非常に重要なポイントになってくることが分かります。

また、3番目に多かったのは「今の役職に満足している」82回答、「勤務時間に満足している」82回答、「休みの取り方に満足している」81回答と3つの選択肢が僅差で選ばれていました。

ポジションを設けて適切な人員配置をしてくことや、スタッフの勤務時間や休暇の制度を見直していくことも、美容師の満足度向上に繋がりそうですね。

「独立支援制度」や「フランチャイズ制度」は転職しない理由になりにくい

一方で、回答が少なかった選択肢は「会社の独立支援制度やフランチャイズ制度を活用する予定のため」で4回答に留まりました。よって、「独立支援制度」や「フランチャイズ制度」があることが、離職を防ぐ要因にはなりにくいといえるでしょう。

転職をした際に利用したのは「知り合いの紹介」が47.2%と最多

転職の際に利用したサービスを聞いたところ、「知り合いの紹介」が160回答と、転職経験者の内47.2%、つまり約半数が知り合いの紹介で転職していることが分かりました。

美容師の転職サイトで有名なリクエストQJやリジョブ、美プロ、ホットペッパービューティー、その他転職サイトを合計しても、134回答です。転職サイト経由よりも、知り合いの紹介が多い結果となりました。

紹介が一番多いのは、近年のスマートフォンの普及に伴う、インターネットやSNSでの人との繋がり易さが要因なのではないかと私は考えます。

ひと昔前だと「転職しようかな。」と思った時は、転職雑誌をパラパラめくったり、街中の気になるお店にお客様として行ってみたりが主流でした。

それが今では誰もがスマートフォンを利用しているため、転職を考え始めた時はまず気になっている美容室をネットで眺めるでしょう。そうすると「元クラスメイトがいる!」「元同僚がいる!」となることが意外と多く、「SNSで繋がっているからちょっと聞いてみようかな。」となり、紹介に繋がり易いのではないでしょうか。

美容師求人市場で勝つにはスタッフ満足度の向上が鍵

これだけ美容師さんが知り合いの紹介で転職されているということは、美容室オーナーとしては、紹介したくなるようなお店創り、つまりはスタッフ満足度の向上が美容師求人市場で勝つための急務だと言えるでしょう。

この記事を書いた人

中村英二

神奈川・東京に大型美容室Anphiを複数店舗展開する会社、株式会社イーグラント・コーポレーションの社長。「美容師ファースト」を掲げ、日々より良いサロン創りに奮闘中!

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