シャンプーでタンパク質変性する?しない?本当のところを徹底検証!!

更新日:2024/03/01
毛髪診断士由樹

美容師のみなさんなら、パーマや縮毛矯正の際、薬剤で”還元”するために髪をタンパク質変性させるということはよくご存じだと思います。

そしてそれによって髪を傷めてしまうため、合わせてトリートメントをするといったヘアケアが必須だということも自明の事実でしょう。

では、シャンプーで髪がタンパク質変性するのか?しないのか?ネット上で意見が割れていますが、あなたはどう思いますか?このページでは、実証実験を通してシャンプーでタンパク質変性するのかを検証していきます。

この記事を書いた専門家

毛髪診断士講師&日本化粧品検定特級・由樹

公益社団法人日本毛髪科学協会の毛髪診断士®講師、日本コスメティック協会のスキンケアマイスター兼、日本化粧品検定特級コスメコンシェルジュを有する美髪・美肌研究家。日々、頭皮や毛髪、お肌について研究し、正しい情報を広める活動を行っている。

先に結論を申しますと、健康毛の方ならまずタンパク質変性の心配はありません。髪はとても強いケラチンタンパクでできているので、たとえ毎日シャンプーをしていてもタンパク質変性することは考えられません。

声高に「〇〇の製品はタンパク質変性しますが、当社の製品はタンパク質変性しません。」なんていう営業トークをしてくるメーカーさんは悪質ですので注意が必要です。

一方で、既に縮毛矯正やパーマなどをして傷んだ髪となると話は変わってきます。一度薬剤処理で還元された髪は、シャンプーの種類によってはタンパク質変性が起こるリスクがあるのです。これからそれを詳しく解説していきます。

そもそもタンパク質変性とは?

タンパク質は、数多くのアミノ酸が鎖のように結合した「ポリペプチド鎖」からできています。通常、この鎖が複雑に折りたたまれて立体構造をとることで、それぞれのタンパク質に特有の機能を果たしています。

それが熱や酸、アルカリなどにさらされると、この高次構造が破壊され、タンパク質の機能が失われます。これをタンパク質の変性と呼びます。

生卵をフライパンで焼くと、透明で液状の卵白が白い固形物に変わりますよね?これは熱により卵のアルブミンタンパクが変性→凝固して起こっている現象です。

健康な髪ならシャンプーで髪はタンパク変性はしない

冒頭でお話しした通り、健康な髪や頭皮ではシャンプーの界面活性剤によってタンパク質変性が起こる心配はありません。なぜなら、人間の髪の毛の主成分である「ケラチンタンパク」はとても強度が強いから。

分かりやすい例でいうと、サイの角もケラチンタンパクでできています。どうですか、強そうでしょう?

還元処理された髪、ダメージ毛は要注意

一方で、縮毛矯正やパーマなどで還元処理が行われた状態だと、シャンプーの界面活性剤によってタンパク質変性が起こってしまうリスクが高まります

髪の毛でタンパク質変性が起こり、タンパク質凝集すると、髪の内部に空洞化減少が起こり、パサつきやごわつきなどのダメージが顕在化してしまいます。

また、既にタンパク質変性したダメージ毛も注意が必要。アルカリ剤でも髪はタンパク質変性しますので、ブリーチやハイトーンのカラーを繰り返して傷んでいる髪の場合も毎日使うシャンプーを選ぶことをおすすめします。

界面活性剤による卵白のタンパク質変性実験

人間の髪や肌はケラチンというタンパク質でできており、卵白は水とアルブミンというタンパク質でできています。卵白のアルブミンタンパクは、髪の毛のケラチンタンパクと比べてずっと弱く、簡単に変性します。

そのため、髪の毛でタンパク質変性が起こるかどうかを、簡易的に、かつ視覚的に伝わり易い方法としてよく用いられるのが、卵白によるタンパク質変性実験です。

実験方法

シャンプーでしばしば使われる代表的な5つのアニオン界面活性剤で、卵白のタンパク質変性実験をおこなってみましょう。

実験では、界面活性剤の原液を38℃のぬるま湯で10倍に薄めた液体2mlを、10mlの卵白に入れて、30秒間まぜ、5分放置した後の、卵白の変化を観察しています。

まず、アニオン界面活性剤の中で、皮膚刺激性があり、タンパク質変性すると研究報告のある「ラウリル硫酸Na」の実験結果をご覧ください。

ラウリル硫酸Na

「ラウリル硫酸Na」は、食器洗い用洗剤や歯磨き粉などによく配合されている非常に洗浄力の高い洗浄成分です。日本の市販のシャンプーでもたまに配合されています。

元は黄みがかった透明の卵白でしたが、界面活性剤投入後には白濁した凝集物がびっしりあります。これがアニオン界面活性剤によるタンパク質変性です。

熱によるタンパク質変性の時とは少し様子が違いますが、「白い塊ができる」という点では同じですね。他のアニオン界面活性剤の実験結果も見てみましょう。

ラウレス硫酸Na

「ラウレス硫酸Na」は、高い洗浄力や起泡力、すすぎ性の高さが特徴で、数多くのシャンプーに含まれる界面活性剤です。

先ほどのラウリル硫酸Naほどではないにしても、白濁した凝集物が多く確認できます。 このラウレス硫酸Naは「ラウリル硫酸Na」の分子を大きくし、刺激性を緩和させたものです。このことからも、「ラウリル硫酸Na」より少ないながらも変性するだろうということは想定できますね。

全体が白っぽいのはタンパク質変性ではなく、乳化作用によって白くなっているだけですよ。

ココイルグルタミン酸Na

ココイルグルタミン酸Naは、ヤシ油脂肪酸とグルタミン酸からなるアミノ酸系のアニオン界面活性剤です。一般にとてもマイルドな洗浄力が特徴とされています。

タンパク質変性の実験結果は、白濁した凝集物は確認できるものの、先の2種類と比べると白濁度合いが薄くなっています。ちなみにたくさんある小さい点は作業工程中に発生した卵の気泡です。少し見えにくくなってしまいすみません…。

ココイルメチルタウリンNa

ココイルメチルタウリンNaは、アニオン系界面活性剤の中では比較的肌や髪への刺激が少ないことで知られている成分で、ベビーシャンプーにもよく用いられます。

実験結果を見ると、これまでの3種類と比べて白濁した凝集物の数が少ないですね。

ココイルメチルアラニンNa

ココイルメチルアラニンNaは、ココナッツヤシ脂肪酸とアラニンからなるアミノ酸系アニオン界面活性剤です。皮脂を取りすぎない適度な洗浄力と脱脂力を有しながら、弱酸性下において泡立ちがとても良く、泡質がクリーミーであるという特徴があります。

実験結果を見ると、ココイルメチルタウリンNaと同様に白濁した凝集物が薄く、卵がクリアに見えますね。

「あれ?タンパク質変性しない界面活性剤はないの?」と思った方もいるかもしれませんので、補足をしておきましょう。

洗浄成分であるアニオン界面活性剤はどんなに「お肌に優しい」と言われているものでも、刺激が0にあることはありません。そして、繰り返しになりますが卵白に含まれるアルブミンタンパクは、ヒトの髪の毛に含まれるケラチンタンパクと比べてとても弱いです。

よって卵白のタンパク質変性実験でアニオン界面活性剤を使用して「全く変性しませんでした。」なんてことはあり得ないのです。変性しなかったら、それは実験方法が間違っていると思った方が良いでしょう。界面活性剤によって異なるのはその変性度合いだけなのです。

美容室専売シャンプーによる卵白のタンパク質変性実験

界面活性剤の原液で髪の毛を洗う人はいませんよね。実際のシャンプーではさまざまな成分がブレンドされますので、様相が変わってきます。

今回は人気の美容室専売シャンプーを35種類用意し、卵白のタンパク質変性実験を行いました。

実験したシャンプー

実験方法

実験では、シャンプー剤1mlを38℃のぬるま湯で5倍に薄めた液体2mlを、10mlの卵白に入れて30秒間まぜ、5分放置した後の、卵白の変化を観察しています。

それでは、全35種類の実験結果をご覧ください。

実験結果

白濁した凝集物がたくさん見えるものと、うっすらと見えるもの、そしてほとんど見えないものと、シャンプーによってもタンパク質変性実験結果に差がでましたね。皆さんは、どれがどのシャンプーの結果なのか予想は付きますか?

続いて、変性率が高かったものと低かったものをいくつかピックアップして解説していきます。

タンパク質変性率が高かった美容室専売シャンプー

残念ながらタンパク質変性率が高かった美容室専売シャンプーの実験結果の写真と、その構成成分をいくつかご紹介しましょう。

シャンプー①

  • ラウレス硫酸Na
  • クエン酸
  • コカミドプロピルベタイン
  • 水酸化Na
  • PG
  • 塩化Na
  • 安息香酸Na
  • へキシレングリコール
  • ポリクオタニウム-10
  • サリチル酸
  • リモネン
  • リナロール
  • グリセリン
  • サリチル酸ベンジル
  • クマリン
  • ショウガ根エキス
  • シトラール
  • ベンジルアルコール
  • シトロネロール
  • キシリチルグルコシド
  • 無水キシリトール
  • エーデルワイスカルス培養エキス
  • キシリトール
  • キサンタンガム
  • ジ酢酸ジペプチドジアミノブチロイルベンジルアミド
  • 香料

シャンプー②

  • ラウレス硫酸Na
  • DPG
  • イソステアラミドプロピルベタイン
  • オレフィン(C14-16)スルホン酸Na
  • ラウレス-6酢酸Na
  • コカミドプロピルベタイン
  • コカミドメチルMEA
  • 塩化Na
  • イソノナン酸イソトリデシル
  • PEG-20
  • トレハロース
  • カルボキシメチルアラニルジスルフィドケラチン(羊毛)
  • ロイシン
  • ユキノシタエキス
  • 加水分解ケラチン(羊毛)
  • ムラサキバレンギクエキス
  • チューベロース多糖体
  • ポリクオタニウム-10
  • ラウリルベタイン
  • ココイルイセチオン酸Na
  • ラウロイルアスパラギン酸Na
  • ココイルアルギニンエチルPCA
  • PCAイソステアリン酸PEG-40水添ヒマシ油
  • PEG-30ラノリン
  • グリチルリチン酸2K
  • サクシニルグリチルレチン酸2Na
  • リンゴ酸
  • BG
  • グリセリン
  • エタノール
  • クエン酸トリエチル
  • AMP
  • 水酸化Na
  • フェノキシエタノール
  • メチルクロロイソチアゾリノン
  • メチルイソチアゾリノン
  • センチフォリアバラ花エキス
  • アミリスバルサミフェラ樹皮油
  • ダマスクバラ花油
  • ニオイテンジクアオイ花油
  • レモン果皮油

シャンプー③

  • ラウレス硫酸Na
  • DPG
  • イソステアラミドプロピルベタイン
  • オレフィン(C14-16)スルホン酸Na
  • ラウレス-6酢酸Na
  • コカミドプロピルベタイン
  • コカミドメチルMEA
  • ジステリアリン酸グリコール
  • 塩化Na
  • イソノナン酸イソトリデシル
  • PEG-20
  • トレハロース
  • イソステアリン酸イソステアリル
  • スクワラン
  • ユキノシタエキス
  • チューベロース多糖体
  • ココイルアルギニンエチルPCA
  • ポリクオタニウム-10
  • ポリクオタニウム-52、PCAイソステアリン酸PEG-40水添ヒマシ油
  • ココイルイセチオン酸Na
  • ラウロイルアスパラギン酸Na
  • ラウレス-16
  • グリチルリチン酸2K
  • サクシニルグリチルレチン酸2Na
  • リンゴ酸
  • BG
  • グリセリン
  • エタノール
  • 水酸化Na
  • メチルクロロイソチアゾリノン
  • メチルイソチアゾリノン
  • 香料

乳化作用により全体が白っぽいので少し見えづらいですが、目視で白濁した凝集物が多数確認できます。やはり強度の弱い卵白のアルブミンタンパクなら、シャンプーでも変性→凝集することが分かりますね。

卵白がタンパク質変性するシャンプーの共通点は?

これらのシャンプーの成分の共通点は何だか分かりますか?化粧品の成分表は、成分が含有率の多い順で書かれていますので(1%以下は順不同)、重要なのは前の方に書かれている成分です。

そう、いずれも「水」の次に多く「ラウレス硫酸Na」が配合されていますね。先ほどの界面活性剤単独のタンパク質変性実験で2番目に変性率が高かったものです。(先の実験で変性率が一番高かった「ラウリル硫酸Na」を含むシャンプーは今回の35種類の中にはありません。)

シャンプーは基本的にその半分以上が水でできていますし、「ラウレス硫酸Na」が配合されていても、ほぼ必ず「コカミドプロピルベタイン」という強い刺激のアニオン界面活性剤を抑える働きがある両性界面活性剤が配合されているため、健康毛で健康な頭皮の方なら心配する必要はありません。

しかし、今髪や頭皮にトラブルのある方の場合は、現在お使いのシャンプーの成分表示を見て、先の「ラウリル硫酸Na」や「ラウレス硫酸Na」を配合しているシャンプーを使われている方は、使うものを見直してみることをおすすめします。

なお、メーカーさんに配慮してタンパク質変性率が高かった商品の名前はここでは明かしません。気になる方は、上記に記載する成分とシャンプー本体もしくは箱に記載されている成分とを見比べればすぐ分かりますので、チェックしてみて下さいね。

卵白のタンパク質変性率が低かったシャンプー

それではいよいよ、今回のタンパク質変性実験で35種類の美容室専売品シャンプーの中でタンパク質変性率が低かったベスト3とその成分のご紹介です!

バーデンススキャルプシャンプー

先のタンパク質変性率が高かったシャンプーと比べて明らかに白濁した凝集物が少ないかつ白濁具合が薄いことが確認いただけると思います。

卵白に含まれるアルブミンタンパクは、髪に含まれるケラチンタンパクと比べてごくごく弱い成分ですので、どんなにお肌に優しい界面活性剤でもタンパク変性します。逆の言い方をすると、アルブミンタンパクでこれだけ変性が少ないのはとても優秀と言えます。

このシャンプーは「バーデンススキャルプシャンプー」です。それでは成分を見てみましょう。

  • BG
  • ラウレス-3酢酸
  • ラウラミドプロピルベタイン
  • ココイルメチルタウリンNa
  • コカミドDEA
  • アルギニン
  • カプリル酸グリセリル
  • ポリクオタニウム-10
  • リシン
  • ヒスチジン
  • ポリクオタニウム-51
  • セージ葉エキス
  • ローズマリー葉エキス
  • ホホバ葉エキス
  • ムラサキ根エキス
  • グリセリン
  • (メタクリル酸グリセリルアミドエチル/メタクリル酸ステアリル)コポリマー
  • ホホバ種子油
  • トコフェロール
  • アスパラギン酸
  • クエン酸
  • ポリクオタニウム-7
  • ステアラミドエチルジエチルアミン
  • トリエチルヘキサノイン
  • 香料
  • メチルパラベン
  • エタノール

成分を見てまず特徴的なのが水の次に多く配合されているのが、界面活性剤ではなく「BG」という保湿成分だという点です。ここからまず、髪や頭皮の健康に配慮された商品だろうと予想がつきます。

その次に書かれているのが「ラウレス-3酢酸」というお酢由来のアミノ酸系界面活性剤です。これがこのシャンプーが卵白のタンパク質変性テストで変性率が低かった最大の要因。実はこの「ラウレス-3酢酸」は、「低刺激界面活性剤」として特許を取得している界面活性剤なのです。

この界面活性剤は、このシャンプーを作っているモアコスメティックス株式会社というメーカーが開発したもので、他社のシャンプーでこの成分が配合されているものを私は今のところ見たことがありません。

アジュバンRe:エミサリー

こちらも白濁した凝集物はごく少なく、タンパク質変性率が低いといえます。これはアジュバンのRe:エリクサーです。

  • コカミドプロピルベタイン
  • ラウレス-4カルボン酸Na
  • スルホコハク酸(C12-14)パレス-2Na
  • ラウロイルアスパラギン酸Na
  • コカミドメチルMEA
  • セテアレス-60ミリスチルグリコール
  • BG
  • ポリソルベート20
  • グルコース
  • フルクトース
  • トレハロース
  • 海水
  • 塩化Na
  • パンテノール
  • グリチルリチン酸2K
  • 異性化糖
  • ココイル加水分解コラーゲンK
  • ハイビスカス花エキス
  • ブテアスペルバ根エキス
  • プエラリアミリフィカ根エキス
  • ユビキノン
  • プテロカルプスマルスピウム樹皮エキス
  • ホウセンカエキス
  • α-グルカンオリゴサッカリド
  • フランスラベンダーエキス
  • ラミナリアディギタータエキス
  • クロレラエキス
  • イガイグリコーゲン
  • 加水分解ケラチン(羊毛)
  • カミツレ花エキス
  • センブリエキス
  • マグワ根皮エキス
  • 加水分解ローヤルゼリーエキス
  • グルタミン酸
  • アルギニン
  • ヒスチジン
  • アスパラギン酸
  • ソルビトール
  • グリセリン
  • PPG-2コカミド
  • デキストランヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド
  • フィトステロールズ
  • 水添レシチン
  • ペンチレングリコール
  • プロパンジオール
  • ポリクオタニウム-10
  • ポリクオタニウム-47
  • PPG-3カプリリルエーテル
  • コハク酸2Na
  • クエン酸
  • エチドロン酸
  • カプリルヒドロキサム酸
  • エチルヘキシルグリセリン
  • カプリリルグリコール
  • 1,2-ヘキサンジオール
  • メントール
  • 香料

成分を見てみると、水の次に洗浄補助剤として頻繁に配合される両性界面活性剤の「コカミドプロピルベタイン」が配合されており、3番目にメインの洗浄成分としてアミノ酸系の界面活性剤「ラウレス-4カルボン酸Na」が配合されています。

この「ラウレス-4カルボン酸Na」は、ヤシ油など植物から採られたアルコールとお酢などの弱い酸から生成されている界面活性剤です。 適度な洗浄力と脱脂力を持ちながらも、お肌と同じ弱酸性で、髪や頭皮へのやさしさを考えられた洗浄成分。泡立ちもよく、さっぱりと洗えます。数ある洗浄系の界面活性剤の中でも、バランスが良くおすすめの洗浄成分です。

アジュバンRe:シャンプーシリーズは全部で3種類ありました。いずれも今回の実験ではタンパク変性率が低かったです。

ソープオブヘア1-Ma

こちらの実験結果も白濁した凝集物は見当たりませんね。卵白がとても綺麗な状態です。これはソープオブヘア1-Ma。木蓮の花のイラストが目印のシャンプーです。

  • ココイルメチルタウリンNa
  • コカミドプロピルベタイン
  • グリセリン
  • ラウレス-4カルボン酸Na
  • セテアレス-60ミリスチルグリコール
  • PEG-60水添ヒマシ油
  • ポリクオタニウム-10
  • ラウロイル加水分解シルクNa
  • 加水分解シルク
  • ポリクオタニウム-64
  • ポリクオタニウム-92
  • グルコシルルチン
  • グレープフルーツ果実エキス
  • サンザシエキス
  • ナツメ果実エキス
  • リンゴエキス
  • レモン果汁
  • オレンジ果汁
  • ライム果汁
  • ラベンダー油
  • オレンジ油
  • クエン酸
  • BG
  • 塩化Na
  • フェノキシエタノール
  • 安息香酸Na
  • メチルパラベン
  • 香料

ソープオブヘア1-Maで水の次に多く配合されているのは「ココイルメチルタウリンNa」。界面活性剤のタンパク質変性実験でも変性率が低かったものです。

「ココイルメチルタウリンNa」は皮脂を取りすぎることのない適度な洗浄力があり、髪のまとまりを損なわず、ふんわり仕上がるおすすめの洗浄成分です。洗浄成分の中では肌や髪への刺激が少ない成分の一つで、ベビーシャンプーにもしばしば配合されています。

また、水の後ろ3番目に保湿成分である「グリセリン」が書かれていて、髪や肌の潤いを守りながら洗浄してくれるだろうと予測できます。

オブヘアシリーズは沢山種類がありますが、中でも今回の実験でタンパク質変性率が低かったのはこの木蓮とグレープフルーツでした。

まとめ

今回は「シャンプーでタンパク質変性するのか?」という疑問について、実験を通して解説してきました。

視覚的に分かり易いためしばしば用いられる卵白でのタンパク質変性テストですが、卵白に含まれるタンパク質は「アルブミンタンパク」といって、ヒトの髪や肌の「ケラチンタンパク」よりずっと構造が弱いので、簡単にタンパク質変性をします。

そのため、この実験結果がそのまま髪に反映されるというものではありませんので、そこについては間違った認識でお客様にお伝えしないようにお気を付けください。

とは言え、シャンプーを含む洗浄剤というものは何かしら肌や髪への刺激があるもので、その程度が商品によって異なることは確かです。「薬剤で既に還元処理された髪の方はシャンプーでタンパク質変性するリスクがある。」と考えて、シャンプーの頻度を減らしたり、シャンプーを変えることをおすすめします。

現在髪や頭皮にお悩みがある方は、まず現在使っているシャンプーの成分を見て、それとは違う成分が入っているものを使うことから始めてみて下さいね。

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